今年の干支「巳」「蛇」がつく駅はいくつある?
今年、令和7(2025)年の干支は「巳」、同じ動物を表す漢字としては「蛇」がある。この記事では、巳年の始まりに、「巳」「蛇」がつく日本国内の鉄道駅を紹介していこう。「巳」がつく駅名は一つ(辰巳)、「蛇」がつく駅名は三つ(大蛇、蛇田、南蛇井)だ。
サムネイルの大蛇(おおじゃ)駅は、八戸線の駅だ。青森県三戸郡階上町に所在し、開業は昭和31(1956)年12月10日。駅名は当地の小字(こあざ)からつけられたもので、地名の由来に関しては大蛇伝説が残されている。その昔、階上の沼に住んで人を喰らっていた大蛇が村人に退治されたというもので、胴をぶつ切りにしたところが「道仏(どうぶつ)」、耳を切り落とされたところが「耳ケ吠(みみがほい)」、角を折られたところが「角柄折(つのがらおり)」、骨をばらされたところが「茨島(ばらしま)」など、その伝説と関連する地名が周辺には多く残っている。
蛇田駅は仙石線の駅で、宮城県石巻市に所在する。駅の開業は昭和3(1928)年11月22日で、当時の所在地は牡鹿郡蛇田村だった。蛇田村は昭和33(1955)年1月1日に石巻市に編入されている。
こちらも由来に関しては蛇の伝説が残されており、特に次の二つが有名だ。一つ目は蛇田道公伝説で、仁徳天皇の時代、蝦夷征伐に派遣されて戦死した田道(たじ)将軍が蛇となって、自身の墓を掘り起こした蝦夷を殺したというもの。この伝説を信じた村人が田道を祀る神社を建て、「蛇田道公」と尊称したことから地名がついたという説だ。
もう一つは蛇多伝説で、燕がくわえてきた瓜の実を植えたところ、大きな実がなり、その実から多くの蛇が出てきたので、「蛇多」の地名がつき、それを「蛇田」の字に変えたというものだ。
南蛇井(なんじゃい)駅は、上信電鉄上信線の駅で、群馬県富岡市に所在する。開業は明治30(1897)年7月7日。難読駅名として知られ、由来は諸説ある。古くは「那射(なさ)」と書き、江戸時代には「南才(なんさい・なんざい)」とも書いた。アイヌ語で「川が流れて広いところ」を「ナサ」「ナサイ」と言い、それに由来する地名が転訛して「なんじゃい」になったという説だ。他に、蛇の集まる井戸が南にあったからという説、蛇の井戸が北と南に二つあったという説などがあるが、地名にあてた漢字からの連想と見た方がよいだろう。
「巳」がつく唯一の駅である辰巳(たつみ)駅は、東京メトロ有楽町線の駅で、東京都江東区に所在する。開業は昭和63(1988)年6月8日。駅がある辰巳地区は、皇居から見て辰巳(南東)の方向にある埋立地で、方角由来の地名だが、埋立地だけあってその歴史は新しい。「辰」と「巳」、二つの干支が駅名に入っていることから、東京メトロでは、辰年から巳年へと干支が替わるのを記念してフォトスポットの設置などを行っている。
巳年の今年、これら4駅を訪れてみてはいかがだろうか。
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