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段取りが悪い人3つの特徴 スケジュール調整するときに「段取り力」を鍛えるポイントとは?

横山信弘経営コラムニスト
(ChatGPT DALL-E 3 にて筆者作成)

■「段取り力」を鍛える3つのポイント

段取りが悪い人がいる。

身近なことでたとえると、旅行の準備をするとき、家事をするとき、宿題や課題をやるときに強く表れる。

段取りが悪い人は、以下のようなデメリットを覚えるはずだ。

(1)効率が悪くなる
(2)ストレスがたまる
(3)期待通りの成果が出ない
(4)周りに迷惑をかける

たとえば旅行の段取りが悪いと、時間通りに目的地に着かないこともあるだろう。それによって旅行を十分に楽しめないこともある。料理などは、段取りが悪いと深刻な結果になる典型例だ。

もちろんビジネスにおいても同様だ。段取りが悪い人は、特にプロジェクトマネジメントを任せられない。どんな小さなプロジェクトでも、である。

いっぽう、段取りがいい人は信頼される。

「あの人に任せておけば、間違いない」

と思われる。素晴らしい発想を思いつくわけでもない。仮説思考力や、地頭力が高いわけでもない。そんな人でも、うまく段取りができる力――「段取り力」さえあれば頼りにされる。

才能やスキルも要らない。

必要なのは、ちょっとしたコツを覚えて、慣れることだけだ。

そこで今回は「段取り力」を鍛える方法を簡単に説明しよう。3つのポイントを意識するだけで、「段取りが悪い人」から卒業できる。

■「優先順位」と「手順」の違いがわかるか?

それでは「段取り力」をアップする3つのポイントを紹介する。

(1)優先順位
(2)手順
(3)時間管理

まず、多くの人が迷うのが優先順位と手順の違いだろう。この2つを混同する人は、間違いなく「段取り力」が低い。

特徴として、以下のことは押さえておこう。

・優先順位 → 状況によって変更する

・手順 → 基本的に変更しない

「お客様へのメールに返信したほうがいいのか。それとも上司から頼まれた企画書の案を考えるのが先か」

このように、どっちのほうが優先順位が高いのかで悩むことはある。しかし、

「パソコンを起ち上げるのが先か、メールの返信を先にするのか」

で悩むことはない。パソコンを起ち上げてからでないとメールを書くことはできないからだ。

プロジェクトとタスクの違いで整理してみよう。次のように定義をすると、よりわかりやすくなるはずだ。

・タスク=作業の最小単位

・プロジェクト=タスクの集合体

たとえば「メールの返信をする」や「新しい企画の案を出す」はプロジェクトだ。さらに細かくタスクに分解できるからだ。

プロジェクト単位で考えると、優先順位で悩むことになる。そして優先順位は以下のように状況によって変わるものだ。

「お客様から催促の電話があったから、はやめに返信しよう」

「もうお客様は帰宅されたから、返信は企画を考えたあとでいい」

いっぽう手順は、プロジェクトの中のタスク処理の順序のことを指す。だから状況とは関係がなく変わらない。

「新しい企画の案を出すには、まず企画の目的を考え、制限事項を確認し、企画書のフォーマットに合わせて書く。そして上司に承認をしてもらう」

このように、プロジェクトごとに優先順位を決め、決められた手順通りにタスク処理をやることだ。そうすることで「段取り力」はアップする。

■タスクの処理時間を推定できるか?

優先順位と手順がわかれば、あとは時間管理である。詳しくは以下の記事で書いた。

<参考記事>

最強の思考法「スケール推定」「フェルミ推定」をダブルで徹底解説! 概算スキルを鍛える方法とは?

作業時間をざっくりと見積もることを「スケール推定」と呼ぶ。

どのタスクに、どれぐらいの時間がかかるかがわかれば、よほど大きなプロジェクトでない限りは、そこにかかる時間が推定できる。

どれぐらいの時間がプロジェクトやタスクに必要かを概算できれば、優先順位付けも簡単にできるだろう。

つまり、

(1)優先順位
(2)手順
(3)時間管理

これら3つのポイントは、相互に関係しあっているということだ。慣れたプロジェクトでなければ、細かいタスク処理の手順、処理時間を概算してから優先順位を決めたほうがいいだろう。

先述したとおり、優先順位は状況によって変化する。状況判断する力も「段取り力」を高めるうえでは重要なスキルだ。

このように「段取り力」は日ごろのスケジュール調整をする際に、感覚を研ぎ澄ませて磨いていこう。

何となく「空いているから」「大事な要件だから」という理由で、スケジュールを入れないことだ。

「ズームアウト思考」でいったん全体を俯瞰してみる。今期の目標は? 評価項目は何だったのか? 上司と面談するときに使うシートを用意して見直してみる。

現在関わっているプロジェクトの概要、目的、進捗状況なども見つめ直すのだ。自分が期待されている役割は何か。いま最も意識すべきゴールは何か。

そのためのプロジェクトは大小どんなものがあり、細かいタスクまで含めるとどれほどの数になるのか。概算してみる。

頼まれたことだけに焦点を合わせるのではなく、一週間や一ヶ月という時間軸で大きくとらえてスケジュール調整をするのだ。

そうすることで「段取り力」は鍛えられていく。

<参考記事>

最強の思考法「スケール推定」「フェルミ推定」をダブルで徹底解説! 概算スキルを鍛える方法とは?

トップコンサルタント最大の武器「仮説思考」を極める「ズームイン/ズームアウト」の技術

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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