いつも地元ナンバーの車が停まってる、源泉掛け流しにこだわる新鹿沢温泉の日帰り温泉「とべの湯」
温泉ライターの泉よしかです。
群馬県西部の長野県との県境に近いあたり、湯の丸高原の近くに鹿沢温泉という名湯が湧いています。
鹿沢温泉は大正7年の火災で大きな被害を受け、現在は紅葉館という旅館を一軒残すのみ。しかしその鹿沢温泉のお湯を4キロほど引き湯した新鹿沢温泉でも、同じお湯に入ることができます。
今回はその新鹿沢温泉にある日帰り温泉「とべの湯」をご紹介します。
地元客でにぎわう日帰り温泉「とべの湯」
以前から車で前を通るたびに気になっていた「とべの湯」。それほど大きな建物ではないのですが、いつも地元ナンバーの車が何台か停まっていて、人気が伺えます。
地元で人気の日帰り温泉は、きっとお湯がいいに違いない!(たまにハズすこともありますが)、そう思って今回立ち寄ってみました。
そして結果は予想以上に良いお湯で、これは紹介するしかないとこうして記事を書いています。
実は温泉の良さは鮮度にもあると思っていた筆者。であれば新鹿沢温泉ではなく源泉地の鹿沢温泉に行けば良いのではないかと常々思っていたのですが、いやいや新鹿沢には新鹿沢の良さがありました(もちろん鹿沢温泉に残る紅葉館のお湯は絶品です)。
源泉掛け流しにこだわる「とべの湯」
鹿沢温泉の源泉「雲井の湯」は温度が48度あります。そのまま入るにはちょっと熱い。
しかし新鹿沢まで引き湯してくると、これがなかなか程よい温度に下がるのです。これを非加水はもちろんのこと、加温も無しでそのまま源泉掛け流しにしているのが「とべの湯」の自慢。
また毎日お湯を抜いて浴槽の掃除を行っており、入れ替えた新鮮な温泉で営業しています。
露天風呂もありますが、冬は内湯のみ。その理由は冬は露天風呂に注ぐにはお湯の温度が低いから。そこで加温と言う手段は取らずに、いさぎよく露天風呂休止です。
もうとにかく非加水非加温の掛け流しなのです。
内湯の浴槽は2つに仕切られています。奥の小さな浴槽に湯口があり、そこから温泉がたっぷり注ぎ込まれ、小さい浴槽から溢れたお湯が高低差で大きい浴槽に流れ込む仕組み。
つまり、必然的に小さい浴槽は熱く、大きい浴槽はぬるくなります。ぬるまりやすい冬も加温なしで掛け流すなら、大小に分けるこのシステムはなかなか合理的。
なお、ぬるめの浴槽でリラックスして、最後に熱い浴槽で温まって上がるのがオススメです。熱いのがお好きなら、最初から熱い方に入るのも有りですが。
泉質はマグネシウム・ナトリウム―炭酸水素塩温泉で、茶色がかったほんのりとした濁り湯。赤茶色の粒状の湯の花が、お湯に中にたくさん舞っています。
どこか湯治場風の浴室の風情も趣きがあり落ち着きます。
少しずつ進化しそうなこれからの「とべの湯」
以前は旅館で、その後2015年から日帰り温泉としての営業を始めたという「とべの湯」。
現在のご主人は2023年からこちらの経営を引き継いだそうですが、この1年で随分お風呂を綺麗にしてきたそうです。
確かに、浴室に入って感じたのは、長く使われてきた証のような温泉成分で染まった床や析出物が残されているとともに、板の壁などがきちんと手入れされていることでした。だからこそ居心地の良い空間だと感じられました。
ご主人はまだこれからも新しいことを取り入れていきたいとのこと。今後が気になる新鹿沢温泉の日帰り温泉「とべの湯」です。
ちなみに地元の人には露天風呂が営業している夏が人気だそうで、これからの寒い季節は観光のお客さんにも狙い目です。
新鹿沢温泉 日帰り温泉 とべの湯
住所:群馬県吾妻郡嬬恋村田代 地図で見る
電話:0279-98-0280
営業時間:11:00~19:00(休前日は19:30まで、また夏季は30分延長で営業)
入浴料:大人600円、小学生以下400円、貸切風呂1時間2,800円
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