【Yahoo!ニュース 個人】3月の月間MVAとMVCが決定 #MVA #MVC
■Yahoo!ニュース 個人、3月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました
社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターによるニュースへの理解が深まるコメントとして「月間MVC」も選出しました。厳選3本の記事と2本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。
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3月のMVA
■新ルール導入と記録の価値。今季から大リーグが採用する3インチ大きい拡大ベースに思うこと。(一村順子)
筆者による受賞コメント:運営の向上、収益増、ファン拡大を目指すMLB機構の主導で、大リーグは例年のようにルールを改正し、投打のトレンドが目まぐるしく変わる傾向を強めています。ベース拡大は、安全面や走塁の積極性を促す効果が期待される一方、キャリアを通じて記録と向き合ったマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター・イチローさんの目にどう映ったのか。イチローさんならではの視点、思考にハッとさせられ、そのメッセージを多くの野球ファンに伝えたくて執筆しました。(一村順子)
選出理由:侍ジャパンのWBC優勝で野球やメジャーリーグへの興味が増す中、日本では一般的にまだあまり知られていない今季からのMLB新ルール「ビガー・ベース(ベースのサイズ拡大)」について、MLB副会長やイチローさんの取材コメントとともに解説。接触等によるケガが減るといった安全性の効果や、盗塁などの走塁面で野球や記録が大きく変わる可能性があるといい、大谷選手らへの影響が注目されますが、コンマ1秒の世界で魅せた美しい走塁や内野安打、レーザービームを誇ったイチローさんの言葉だからこそ、重みがありました。
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■東日本大震災ではじめて使われたマンホールトイレを知っていますか?(加藤篤)
筆者による受賞コメント:月間MVAに選出いただきありがとうございました。トイレや排泄の困りごとは声に出しづらいので、無かったことになりがちなのが課題です。東松島市は災害時にしか使わないマンホールトイレをお祭りや運動会等で積極的に使い、多くの人に知ってもらう機会を作っています。こういう地道な取り組みの積み重ねが、いざという時に大きな力になります。災害を経験した方々の取り組みには、実践的な知恵と行動が詰まっていますので、参考にしていただければ幸いです。(加藤篤)
選出理由:災害が発生すると、給水管・排水管の損傷や断水など、さまざまな原因で使えなくなってしまう水洗トイレ。災害時における衛生的なトイレ環境の確保の重要性とあわせて、実際に避難所で活用された災害用トイレ「マンホールトイレ」の仕組みや、宮城県東松島市がこれまで取り組んできた改善内容などを紹介した記事です。東日本大震災から12年、災害時のトイレ問題について改めて考えさせてくれた1本です。
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■中国の仲介でサウジ=イラン国交回復――その潜在的衝撃がウクライナ侵攻並みである4つの理由(六辻彰二)
筆者による受賞コメント:月間MVAに選出いただき、ありがとうございました。個人的な課題の一つに、あまり光の当たらないテーマにあえてスポットを当て、世の中を逆に浮き彫りにすることがあります。特にこの記事では、善-悪の二元論や好悪の感情をできるだけ排除して世界の変化を見すえることの重要性を強調したつもりです。大きく変動する世界を理解する一助になれば幸いです。(六辻彰二)
選出理由:2016年に国交を断絶していたサウジアラビアとイランが、今年3月10日、中国の仲介により国交回復することを発表しました。この動きは日本や欧米の一般メディアではそれほど大きく報じられていませんが、世界全体の秩序の変化という意味でのインパクトはロシアによるウクライナ侵攻と同レベルだと筆者は指摘します。4つのポイントから今後の世界情勢の見取り図がわかりやすく示された、筆者の解説力が光る1本です。
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3月のMVC
■玉川徹氏、「モーニングショー」で議員宿舎の値下げを取材…「どういうことなんだ」(スポーツ報知)の記事へのコメント(西田亮介)
筆者による受賞コメント:多くのコメントのなかから、月間MVCに選出いただいたこと嬉しく思います。議員宿舎の値下げに関して、一般的な生活者の直感とそぐわないことから、マスメディア、ネット問わず多くの反発や批判が溢れていました。しかしながら、議員宿舎の家賃値下げには、特に地方選出議員にとってほぼ必須の都内滞在コストを下げることで政治のコストを低減する意味があり、資産を持たなかったり、大政党の支援がない人の政治活動を後押しするなど、最近の政治家のなり手不足解消や間口拡大などとも足並みを揃える決定です。政治や行政、政策には、一見、不可解ながら、よく考えると一定の合理性がある決定が存在します(もちろん不合理なものも多々あります)。今後もコメント等を通じて、政策や社会問題などの理解促進に貢献できればと思います。(西田亮介)
選出理由:参議院議員の議員宿舎の使用料が4月から値下げされることを紹介した記事に対して「政治家のなり手」という観点で書かれたコメント。都心のマンション価格が上がっている状況での値下げは、国民の感覚的に違和感があるとの批判もあるが、西田さんは政治学者の立場から、一方で、経済的な背景のない人たちが政治家になるためのハードルを下げる側面もあることを解説し、ユーザーにこのニュースの別の視点を提示してくれました。
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■平和賞の活動家に懲役10年 ベラルーシ、政権批判で(共同通信)の記事へのコメント(服部倫卓)
筆者による受賞コメント:私が研究している国のうち、日本のお隣の大国ロシアはともかく、ベラルーシなどは、もともと日本であまり知られていない国でした。そうした国がまさに今、国際的な危機の焦点になっており、思わぬ形で私のマニアックな知識が役立ったりすると、不思議な感じがします。今回、賞をいただいたコメントも、たまたま自分の個人的な経験が活きたものでした。これを励みに、研究と情報発信により一層努めていきたいと思います。(服部倫卓)
選出理由:2022年のノーベル平和賞受賞者アレシ・ビャリャツキ氏に、社会秩序の混乱を図った罪などで、ベラルーシの裁判所が懲役10年の判決を言い渡したと報じる記事へのコメントです。受賞者の人物像に加え、ベラルーシのルカシェンコ独裁体制下で深刻な人権状況が続いていることを専門家として丁寧に解説し、ニュースへの理解をより深めてくれました。
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