甲子園で会おうぜ! 「阪神タイガースジュニア2020」のメンバーたちが進学した高校はどこだ?
■16人のちびっこ虎戦士たち
2024年の新年度がスタートしている。意気揚々と真新しい制服に身を包み、期待に胸をふくらませ、新たなる環境を謳歌する学生たち。
こちらの彼らもまた、大きな目標を抱いて高校野球の世界に飛び込んだ。「阪神タイガースジュニア2020」の16人である。
小学6年の12月末、タイガースジュニアとしてタテジマをまとって「NPB12球団ジュニアトーナメント」で奮闘したメンバーたちだ。
今年1月、彼らは久々に再会し、旧交を温めた。(1月6日の再会記事⇒「関西ダービー」再び! 2020年の阪神タイガースジュニアがオリックス・バファローズジュニアと対戦)
そのとき、これまでの思い出やこれからの目標を語ってくれた。進学した高校名も併せて紹介しよう。
*【背番号と名前】の隣は高校名で、質問は①タイガースジュニアでの思い出、②中学時代の一番の思い出、③今後の目標の3問。
【#0 佐藤壱楓】花咲徳栄高校
①タイガースジュニアでの思い出
白仁田監督からキャッチャーとしてのキャッチングやブロッキングのことを、柴田コーチからは走塁のことなどを教わったり、プロで活躍した経験を聞かせてもらったりして、それを中学校で活かせて成功しました。
中学でも何度も(ワンバウンド投球を)止めたり、バンバン走ったりしているので。教えてもらったことは、すごく記憶に残っています。
②中学時代の一番の思い出
1年生の最後らへんの大会の準決勝、決勝の2試合で、全部の打席で出塁したことが一番の記憶に残っているかな。7打数7安打でした。
③今後の目標
まず高校で1年生からレギュラーを獲るっていうのを目標にしていて、そこからプロの道へ行きたいなと思ってます。
今もずっとキャッチャーをやらせてもらっています。1年生でレギュラーは大変やと思うけど、このキャッチングで頑張りたい。
【#1 木下瑛二】高川学園高校
①タイガースジュニアでの思い出
みんなと声を出したりして、練習試合でも大会でも協力し合ったことです。
②中学時代の一番の思い出
1年生のときに全国制覇して、MVPを獲ったこと。僕はピッチャーで、決勝戦でノーヒットノーランしました。
ピッチャーをしながら、4番を打っていました。
③今後の目標
高校では二刀流でやりたい。
将来の目標はプロ野球選手で、長く活躍する選手になりたいと思っています。
目指しているのは、ダルビッシュ有投手。
【#3 辻竜乃介】履正社高校
①タイガースジュニアでの思い出
大会で、神宮球場でホームランを打ったことです。緊張したんですけど、試合が始まって1打席目にホームランを打てたことは、すごくいい経験になりました。
②中学時代の一番の思い出
U―15の日本代表に選ばれて中国に行って、高いレベルでやらせてもらったことです。
外国人相手とか中国という環境とか、これまで経験したことないようなことがいっぱいできて、日本でやらせてもらっているありがたみにも気づけました。
③今後の目標
メジャーリーガーになるという目標があるので、そこに向けて頑張っていきたいと思います。
ポジションは、ずっとショートをやってます。今後もショートでやっていけるように頑張ります。
【#5 西谷太一】神戸国際大附属高校
①ジュニアでの思い出
レベルの高い野球ができたことです。
自チームでは上位レベルでも、こっち(ジュニア)に来たら一番下くらいでした。でも、上には上がいるということがわかり、より頑張れるようになりました。
②中学時代の一番の思い出
3年生のとき、夏の全国大会で準優勝しました。
1日目はピッチングがよくなかったけど、2日目は5回9奪三振でした。
③今後の目標
高校で甲子園に出て、日本一になることです。
高校ではピッチャーではなく、野手と言われています。セカンドかな。
【#6 錦見啓吾】近畿大学附属高校
①ジュニアでの思い出
神宮球場でみんなと戦えたこと。スタメンで出られたことが一番よかったです。
もともと自分のチームではピッチャーをやっていたんですけど、ジュニアで初めてセカンドをやって、そこからセカンドでやっていこうと決意しました。今もセカンドで、たまにショートをやったりします。
人生が変わりました(笑)。ピッチャーへの未練は、もう今はないです。
②中学時代の一番の思い出
3年生の春、全国大会で準優勝したことです。
僕もスタメンでずっと出て、4安打しました。
③今後の目標
大阪の高校なので、大阪桐蔭や履正社など強豪校がいる中で甲子園に出ることです。
【#7 門田和也】精華高校
①ジュニアでの思い出
大会で(逆転の)3ベースを打ったことです。テンパって周りが見えてなかった(笑)。三塁でガッツポーズしてて、送球エラーがあって急いでホームインしました。
みんなで野球できたことがよかったです。
②中学時代の一番の思い出
途中からチームが変わったんですけど、そこで3年生の春季全国大会に出られて、いい仲間に出会えました。
1回戦負けでしたけど、ヒットも打ってピッチャーもやりました。
③今後の目標
これからもいろいろあると思うんですけど、野球をずっと続けていきたいと思っています。
【#8 中尾勇貴】報徳学園高校
①ジュニアでの思い出
ジュニアに入って、周りのレベルも高くて、練習が一番の思い出に残っています。みんなで一生懸命やるのが、楽しかったです。
②中学時代の一番の思い出
タイガースカップで優勝できたことが一番の思い出です。
甲子園球場でプレーできたこと、甲子園のマウンドで投げられたことが嬉しかったです。
③今後の目標
甲子園に出て、全国制覇を目指して頑張っていきたいです。
【#9 前田翔斗】神村学園高校
①ジュニアでの思い出
東京で、みんなでトーナメントに全力で挑めたっていうのが一番の思い出です。
それまでの練習も思い出深いです。
②中学時代の一番の思い出
3年生の夏、全国大会のジャイアンツカップにいけたのが一番の思い出です。
負けたんですけど、いい経験ができました。
③今後の目標
高校はレベルが高いと思うんですけど、1年夏から出られるように頑張りたい。
【#10 熊谷謙臣】智辯学園高校
①ジュニアでの思い出
みんなとすごくいい環境で野球ができたことが、一番の思い出です。
すごいところでプレーできたことで、大きい舞台でもあまり緊張したりしないで自分のプレーがしっかりとできるようになりました。
②中学時代の一番の思い出
中学ではチームのみんなと仲よくできたし、あんまりいい結果は残せなくて…いや、でも、ちょっとはいい結果も残せたからよかったと思います。
全国大会には行けなかったけど、西日本の大会とかちょっとした大会では優勝や準優勝できたのは、嬉しかったです。
③今後の目標
高校ではしっかりレギュラーを獲って甲子園に出て、高校が終わってからもずっと野球を続けていきたいです。
【#11 髙井周平】智辯学園高校
①ジュニアでの思い出
神宮球場で先発したことが、自分にとってすごくいい思い出です。
神宮という場所で試合ができたことも、いろんな選手と野球ができたことも、とてもよかったです。
②中学時代の一番の思い出
上の学年の試合にも出させてもらって、いろんな大会で優勝できたことと、3年生の8月、NOMOジャパンに選ばれてアメリカ遠征に行って、いろんな経験ができたことです。
アメリカでは3勝1敗で、ペトコパークっていうサンディエゴ・パドレスの本拠地で投げさせてもらいました。
③今後の目標
1年生の夏からピッチャーで甲子園に出ることです。
そして、2年生も3年生もレギュラーとして甲子園に出て、3年生で侍ジャパン(U-18)に選ばれたいです。
【#18 鈴木悠悟】中京高校
①ジュニアでの思い出
みんなと試合したことです。
この仲間たちとは、全員一緒に同じ高校に行きたいくらいです(笑)。
②中学時代の一番の思い出
3年生の最後のウエストジャパン(ボーイズの西日本選抜)ですね。
ベストプレーヤー賞を受賞しました。
③今後の目標
高校で日本一になるだけです!
みんなと甲子園で対戦できたらいいなと思っています。
【#19 伊藤歩夢】創志学園高校
①ジュニアでの思い出
すごい選手たちと一緒にできたことと、やっぱりプロの方に教えてもらえたことはよかったです。
②中学時代の一番の思い出
ヤングリーグの夏の全国大会で準優勝しました。それが一番いい成績です。
ピッチャーで準決勝の途中から投げて、なんとか勝ちました。
③今後の目標
プロ野球選手になりたい。
やっぱ気持ち的に強い選手になりたいです。憧れているのは藤浪(晋太郎)選手です。小学生時代から変わらずですね。
(ゆくゆくはメジャーも視野に?)はい!
【#20 丸山滉惺】東洋大学附属姫路高校
①ジュニアでの思い出
あれだけすごいメンバーと、3ヶ月も一緒に野球ができたことです。
印象に残っているのは、やっぱ大会で1勝できたことですね。
②中学時代の一番の思い出
3年生のとき、ジャイアンツカップに出場できたことです。
結果はあまりよくなかったんですけど、普段は入れないような東京ドームのグラウンドに入れて、めっちゃ嬉しかったです。
③今後の目標
まず高校で甲子園に出て、それから大学に進むかプロに進むかして、自分のプレーで野球が好きになってくれる子がいたらいいなっていうふうに思います。
僕の『心の底から野球を楽しんでやっているところ』を見てほしいですね。
【#31 西村奏太】中京高校
①ジュニアでの思い出
レベルが高いみんなと切磋琢磨したことで、練習や練習試合、大会を通して自分のレベルも上がったので、いい経験ができたと思います。
②中学時代の一番の思い出
全国大会に出たことと、ホームランをいっぱい打てたことです。通算26本打ちました!
全国大会ではヒットは打てたんですけど、ホームランはなかったですね。
③今後の目標
プロ野球選手になって、大谷翔平選手みたいなみんなから愛される選手になりたいです。
ポジションはキャッチャーとサードで、メインはキャッチャーです。
キャッチャーは自分だけ前を向いて、みんなに指示したりリーダーとして活躍できるんで、おもしろいです。
【#42 大津昴偉留】大阪桐蔭高校
①ジュニアでの思い出
やっぱホテルですね。
決勝トーナメントに進めないって決まったとき、みんなで部屋に集まって遅くまで起きてしゃべったり、はしゃぎまくったことが思い出です。
どんな話?女の子の話とか、普通の男の子の話です(笑)。それが楽しかった~。
②中学時代の一番の思い出
3年生の春、全国大会に出られたことですね。
僕は手首(有鈎骨)を骨折して出られなかったんですけど、チームが出たことがやっぱ嬉しかったです。
③今後の目標
レベルの高い高校に行くんで、やっぱ1年生の秋にはレギュラーで出られるように長打力をアピールして頑張りたい。
【#51 古橋功亮】報徳学園高校
①ジュニアでの思い出
東京に行って、決勝トーナメントには進めなかったけど、プロが使っている球場でみんなと楽しく野球ができたことです。
②中学時代の一番の思い出
冬の練習は走るのとかめっちゃしんどかったし、精神的にもきつかったけど、それをみんなで頑張って乗り越えて、3年生の夏に全国大会に出られたことです。
自分の成績はまぁまぁでした。2回戦で負けたけど…。
③今後の目標
高校でレギュラーを獲って、絶対に甲子園に出ることです。
■白仁田寛和監督からのメッセージ
すでに高校に進学した彼らは、新しいユニフォームで汗を流す日々を送っている。
そんなちびっこ虎戦士16人に、かつての監督、白仁田寛和氏(現阪神タイガース職員)からメッセージが届いた。
「僕の高校時代は、とにかく野球に没頭していましたね。真面目に野球一筋でした。
僕自身の経験になるんですけど、野球をやってきた中で高校生活っていうのが一番楽しかった。もちろん、それぞれの学校の方針や監督・コーチの方針によるとは思うんですけど、とにかく楽しい高校生活が待っているよっていうのは伝えたいですね。
また、一番の伸び盛りでもあるので、そこでとことん野球に集中して、レベルアップできるように頑張ってほしいなと思います。
そして、みんな甲子園を目指していると思うけど、ここで再会できるように期待しています。やはり聖地でぜひ野球をやってほしい。それくらいの高い能力のある子たちなので、大舞台を目指してとことん頑張ってほしいですね」。
巣立ったジュニアたちを、今でも気にかけている白仁田氏。彼らの野球人生が実り多きものであるよう、願っている。
小学6年で出会ったかけがえのない仲間たち。これからも互いに切磋琢磨し、充実した野球人生を送ってほしい。
阪神タイガースジュニア2020の高校での活躍を祈る。
(表記のない写真の撮影は筆者)
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