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米海兵隊の無人4輪車両の基本型「ローグファイア」、HIMARSより小型ながら同等の火力システム

JSF軍事/生き物ライター
オシュコシュ・ディフェンス社よりROGUE-Fires多連装ロケット型

 アメリカ海兵隊が計画している無人4輪車両「ROGUE-Fires(ローグファイア)」はこれまでに派生型である対艦ミサイル型「NMESIS」が2021年4月28日に実車の写真が初公開され、続いて巡航ミサイル型「LRF」が2023年7月21日に公開されてきました。そして2024年3月25日に基本形である多連装ロケット型の写真がオシュコシュ・ディフェンス社から公開されています。OSHKOSH DISPLAYS CRITICAL CAPABILITIES AT AUSA GFS 2024 | March 25, 2024

ROGUE-Fires (Remotely Operated Ground Unit for Expeditionary-Fires) :ローグファイア(遠征火力用遠隔操作型地上ユニット) 

オシュコシュ・ディフェンス社よりROGUE-Fires多連装ロケット型
オシュコシュ・ディフェンス社よりROGUE-Fires多連装ロケット型

 ROGUE-Fires多連装ロケット型はHIMARSと同じ6連装ロケット弾ポッドを1基搭載しています。ただしHIMARSが発射機上部に装備しているポッド装填用クレーンはROGUE-Firesには内蔵していません。HIMARSは地面に置いたポッドを自力で装填できますが、ROGUE-Firesは再装填時に別途にクレーン車両が必要になります。

  • 6連装ロケット弾ポッド(GMLRS/ER-GMLRS)、射程90~150km
  • 2連装短距離弾道ミサイルポッド(PrSM)、射程500km
  • 単装短距離弾道ミサイルポッド(ATACMS)、射程300km

 ROGUE-Fires多連装ロケット型はHIMARSと同じ搭載能力を有しているので、以上の3種類の発射ポッドを搭載可能です。基本的にはどれも対地攻撃用です。射程が最も長いのは最新型のPrSM短距離弾道ミサイルの500kmで、将来的には更なる射程延伸の改良型や、新型センサーを搭載した対艦攻撃型なども計画されています。

無人車両化による小型化とヘリコプター吊り下げ輸送

 HIMARSは6輪トラックなのでヘリコプターによるスリング輸送(吊り下げ輸送)は想定されていませんが、ROGUE-Firesは4輪車両であり重輸送ヘリコプターCH-53Kでのスリング輸送を想定しています。海兵隊はこれを実現するために無人4輪車両ROGUE-Firesを開発しました。無人で運用することそのものが目的なのではなく、無人化することで運転席を潰してその空間を搭載能力に充てることで車両の劇的な小型化を実現し、ヘリコプターによる空中移動能力を獲得することが目的だったのです。

NMESIS:海軍海兵隊遠征船舶阻止システム(対艦ミサイル)

LRF:Long Range Fires、長距離火力(巡航ミサイル)

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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