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ボケたくなければこれを食べよう!認知機能・記憶力が良い人の食生活が判明【最新エビデンス】

黒澤恵(Kei Kurosawa)医学情報レポーター

日々の食事が記憶力に影響を与えていた

「あの人、記憶力がいいなぁ」、「なぜあんなことまで覚えていられるんだろう?」

そんな人、周りにいませんか?

もしかしたら食事に秘密があるのかもしれません。というのも、食べるものにより記憶力に与える影響は異なることが、最新の医学研究で明らかになったのです。「神経学」という学術誌に11月22日掲載の論文からご紹介します。この学術誌、発行元は米国神経学会ですから信頼性は抜群。研究を主導したのは、米国ラッシュ大学のトーマス・ホランド博士です。

同博士らは、シカゴ周辺の認知症との診断記録のない高齢者約1000名を集め、年に1回の「認知機能テスト」と「食事内容の聞き取り」をおよそ7年間続けました。食事内容と認知機能の関係を洗い出そうとしたのです。

フラボノール類をたくさん摂っていると記憶力維持が良好

その結果、フラボノイドの一種である「フラボノール類」をたくさん摂取している人は、「認知機能」、特に「記憶力」の低下が、抑えられていたことが分かりました。さらに細かく見ると、最も低下が抑制されていたのは「エピソード記憶」(思い出)、次いで「意味記憶」(知識)、「作業記録」(思考・作業などに必要な情報の短期間保持)でした。

ホランド博士は「フラボノール類が持つ抗酸化作用と抗炎症作用が効いた可能性がある」とコメントしています。ちなみに「フラボノイド」は「ポリフェノール」の一種です。と分かれば、抗酸化作用なども納得ですね。

さてこの研究ではさらに、「フラボノール類」に含まれる個々のフラボノールと認知機能の関係も調べています。

身近な食材ばかり!

その結果、認知機能の低下が最も効果的に抑えられていたのは、ケンぺロール(ケンフェロール)の多量摂取でした。。ケンペロールが豊富な食品といえば、青汁でおなじみの「ケール」、そして「豆類」「お茶(緑茶、紅茶)」「ほうれん草」「ブロッコリ」です。

そしてケンぺロールの次に、たくさん食べると認知機能低下が抑制されていたフラボノールは「ケルセチン」。こちらも「ケール」、そして「トマト」「リンゴ」、飲み物では「お茶」に多く含まれています。

第3位は「ミレセチン」。効率よく摂取するには「お茶」「ワイン」、食べ物ならやはり「ケール」「柑橘類」そして「トマト」がお勧めです。

どれも身近な食材ですね。記憶力が心配なら、これらを積極的に摂取しましょう。コーヒーをお茶に代える、あるいは惣菜を買う際に豆類やほうれん草、ブロッコリーが入っているものを選ぶ。果物はトマトを優先。そんなところから始めてみてははいかがでしょう?

ただし今回ご紹介した研究は7年間観察した結果です。記憶力に良い食材をいっときにたくさん食べるより、そのような食生活を長く続ける方が大切。この点もお忘れなく。

まとめ

  • 認知機能や記憶力は食事の影響を受ける
  • フラボノール類をたくさん食べると認知機能(記憶力)の維持が良好
  • フラボノール類が豊富な食材は身近なところに。

今回ご紹介した論文の要約(英語)は米国医学図書館ウェブサイトにて無料で閲覧可能です。英語が苦手でも、無料翻訳サイトDeeplを使えば簡単に日本語に直せますよ。

また認知機能や認知症については以下の記事も書いています。ぜひご覧ください。

医学情報レポーター

医療従事者向け書籍の編集者、医師向け新聞の記者を経てフリーランスに。15年以上にわたり、新聞社系媒体や医師向け専門誌、医療業界誌、会員向け情報誌などに寄稿。近年では医師向け書籍も共著で執筆。国会図書館収録記事数は3桁。日本医学ジャーナリスト協会会員(含筆名)。

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