どうすればいい!?「あまり話さない人」を喋らせるテクニックとは?
■本物の「聞き上手」とは?
「よく話す人」の話を聞いていても、聞き上手にはなれない。ただ「聞き上手モドキ」になるだけだ。
本物の聞き上手は、次の2つのことができる。
・「あまり話さない人」から話が聞ける
・「あまり話さないこと」を聞ける
「あまり話さない人」は、誰に対しても多くを語らない。そんな人からいろいろと身の上話を聞きだすことができたら、本物の聞き上手だ。
いっぽう「よく話す人」でも、その人から普段「あまり話さないこと」を聞きだせたら、こちらもスゴイ。本物の聞き上手しかできない芸当だ。
おそらく、多くの人が手こずるのが「あまり話さない人」とのコミュニケーションだろう。確かに苦労する。しかし「あまり話さない人」の気持ちにも寄り添ってみよう。おそらく自分から何を話したらいいのか、よくわからないのだ。
だいたい「あまり話さない人」は、
「何か話して」
と言われても、困ってしまう。話すネタとか、話題を提供することが苦手なのだ。だから具体的な切り口を使って話を振るのだが、それでも盛り上がらないことが多い。
■普通の人と何が違うのか?
普通の人が質問されたら、以下のように、それなりに話してくれる。質問に対する答えの量が多い。
「高校時代、どんな部活やってたんですか」
「ラグビーです。ポジションはセンターでした」
「ラグビーなんですね。強豪だったんですか」
「強豪でしたよ。めっちゃくちゃ厳しくって、練習は夜遅くまで続きましたねェ」
「だいたい何時ぐらいまで続いたんですか」
「夜の9時までやってたときが、多かったですね。練習が終わったときは、もうクタクタで……。何も食べてないし、本当にしごかれました」
「すごく大変だったんですね」
「そうそう。そうです」
このような感じである。いっぽう「あまり話さない人」は、質問しても答えの量が少ない。ワンセンテンスで返ってくることも多い。
「高校時代、どんな部活やってたんですか」
「ラグビーです」
「ラグビーなんですね。強豪だったんですか」
「ええ。強豪です」
「スゴイですね」
「まァ、そうですかね」
「ええっと……」
それなりの量を答えてくれると、次の質問がしやすい。相手が答えてくれたセンテンスの中に、質問のヒントが隠れているからだ。しかしワンセンテンスで返ってくると難しくなる。だから話が続かなくなるのだ。
■「あまり話さない人」を喋らせるには?
まとめると、こうだ。
普通の人は質問されると「線」で返す。よく話す人は、その「線」が束になって返ってくる。
いっぽう「あまり話さない人」は「点」で答えてくる。だから、会話を盛り上げるには、この「点」を繋げて「線」にしてあげればいい。
「高校時代、どんな部活やってたんですか」
「ラグビーです」
「ラグビーなんですね。強豪だったんですか」
「ええ。強豪です」
「スゴイですね、強豪校のラグビー部なんて」
「まァ、そうですかね」
「ポジションはどこだったんですか?」
「センターです」
「センターって重要な役割なんでしょう?」
「ああ、ま、そうかもしれません」
「強豪のラグビー部で、重要な役割のセンターを任されてたんですね。スゴイですよ」
「いや、まァ。それほどでもないですけど。体格がよかったんだんで」
「センターって、体格がよくないとなれないんですか?」
「センターはスピードも必要ですね。パワーもです。けっこう足も速かったんですよ」
「ええっ。スゴイ! その体格で」
「いやいや、そんな……。中学のころは陸上部だったんで。そこで鍛えられましたね」
相手が質問したことしか答えない場合、その「点」の情報を繋げて「線」にしていく。そうすると、相手の頭の中に鮮明なイメージが描かれ、何を話したらいいのか、だんだん想像できるようになっていく。
だから、
「センターはスピードも必要ですね。パワーもです。けっこう足も速かったんですよ」
と、質問されていないことも答えてくれるようになる。ここまできたら、話は展開していく。「あまり話さない人」はスロースターターなのだ。2~3個質問しても、話が盛り上がらないケースが多い。
「点」を繋げて「線」にすることで、話が盛り上がることがある。試してみよう。もし、それでも会話が弾まないのであれば、かなり無口な人か、関係がすでにこじれているかの、どちらかだろう。
【参考記事】