なぜ努力不足の人ほど「スキルが足りない」と言い訳するのか?
「成果を出せないのは、私のスキルが足りないせいです」
そのように上司に言ったら、
「スキルは関係ない!」
と叱られてしまった。なぜか?
このように、成果を出せないのは「スキルが足りないからだ」と考える人が多い。確かにスキルは重要だが、スキル以外でも重要なことは多い。とくに「習慣」である。
そこで今回は、スキルと習慣の違いについて解説しよう。この違いを理解するだけで、成長スピードは格段に速くなるはずである。なかなか成果を出すことができない人、そういう部下がいる上司の方々、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
■ホームランを打てなくても、ホームランを打つ練習はできる
スキルと習慣の違いについて、具体的な例を使って説明しよう。
ホームランを打つには、ホームランを打つスキルが必要だ。これは誰もができることではない。高度な技術が必要だ。しかしホームランを打つためには、毎日のように練習する習慣も必要である。
このようにスキルも習慣も、同じように重要だ。しかしスキルを身につけるには、習慣がなければならない。
つまりスキルをアップするには習慣が前提である、ということだ。これは「量」と「質」の関係とよく似ている。
「量」なのか?
「質」なのか?
という不毛な議論がある。よく考えれば、誰でもわかるだろう。
「量は質を凌駕する」
「量質転化の法則」
という言葉があるように、当然「量」である。なぜなら「質」を上げるには、それなりに「量」を繰り返すことが前提だからである。これはスキルと習慣の関係とよく似ている。
■なぜ「良い習慣」がない人は努力不足なのか?
また、別の違いを挙げよう。スキルは鍛錬しなければ身につかないが、習慣は繰り返すことで無意識にできるようになる。スキルがなかなか向上しないのは言い訳できるが、習慣化できていないのは、完全なる努力不足だ、と言える。
習慣の力は侮れない。
たとえば「早起きの習慣」がある人は、1日のスタートを有利に迎えられる。早起きは体内時計を整え、集中力を高める効果がある。また「挨拶の習慣」を持つことで、人間関係が円滑になり、職場の雰囲気も良くなる。さらに、「報連相(報告・連絡・相談)の習慣」が身についていれば、仕事の進捗や問題点をタイムリーに共有でき、チーム全体のパフォーマンスが向上する。
「読書の習慣」も大事だ。新しい知識や視点を得ることで、自分のスキルを向上させることができる。読書はリラックス効果もあり、ストレス解消にも役立つ。これらの習慣を身につけることで、仕事だけでなく人生全体が豊かになるのだ。
早起き、挨拶、報連相、読書などの習慣について取り上げた。どれもスキルなど必要ない。繰り返しやっていくだけで無意識のうちにできるものばかりだ。
だから習慣化していることが物足りないのであれば、
「スキルが足りないので成果を出せません」
と言い訳しても、上司に叱られるのである。
■「小さな達成体験」を重ねよう!
スキルと習慣の違いを理解した上で、まずは良い習慣を身につけることに注力しよう。良い習慣が身につけば、新たなスキルが必要になっても比較的早くスキルを向上させることができる。その結果、成果を出しやすくなるのである。
たとえば、毎朝30分早起きして読書をする習慣がある人は、新たに必要となったスキル、知識を苦労なく習得できる。これが仕事に直結する成果につながるのだ。
最後に、ワンポイントアドバイスをしよう。
新しい習慣を身につけるためには、最初の目標設定が重要だ。無理をせず、少しずつ取り入れることだ。完璧を目指すのではなく、小さな目標を設定し、それを達成することで自信をつけていく。これは私が提唱する「小さな達成体験」である。
スキルはもちろん重要だ。しかし、スキルは習慣の上に成り立つものだ。前提なのである。良い習慣がなければ早いスキル向上は見込めない。
まずは良い習慣を身につけ、継続する。成果を出すためには、まずは自分の習慣を見直そう。
<参考記事>