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世界一シンプルで誰でもできる「先送り」をなくすやり方 タスク負債を減らして心を軽くする方法

横山信弘経営コラムニスト
タスク負債をなくそう(写真:イメージマート)

高度情報社会になっても、相変わらず、多くの人が「先送りの習慣」をなくせないでいる。便利な手帳、機能性が高いアプリが、こんなにもたくさんあるのにもかかわらず、である。

そこで今回は、なぜ仕事を「先送り」してしまうのか? 「先送りの習慣」をなくすには、どのようなポイントに気を付けたらいいのかを解説していこう。

最後にはタスク管理に関するワンポイントアドバイスも紹介する。「先送り」について悩んでいる多くのビジネスパーソン、マネジャーはぜひ最後まで読んでもらいたい。

<目次>
■タスクとスケジュールの違いとは?
■先送りしないための2つのポイント
■2分で終わる作業は「気合い」でできる
■タスク処理の応用編「重要-緊急マトリクス」
■リマインダー機能を「タスク管理ツール」に応用する

■タスクとスケジュールの違いとは?

ついつい仕事を先送りしてしまうことは、多くの人にとって経験があり、悩ましいことだと思っているはずだ。では、どうしたらこの問題を解消できるのか?

私が提案したいのは、タスクとスケジュールの違いを理解することだ。この違いがわかるだけで、世界一シンプルに仕事を片付けられるようになる。

それでは、タスクとは何か? 一言で言えるだろうか?

たとえば上司から「コレやっておいて」と言われた仕事はタスクである。いっぽう「明日の9時からお客様との打合せがある」と言われた場合、これはタスクではない。スケジュールである。

次のように整理しよう。

・タスク → いつやるか決まっていない仕事

・スケジュール → いつやるか決まっている仕事

したがって、ついつい先送りしてしまうのはタスクである。スケジュールはそれほど意識する必要はないが、タスクは意識しないとやらないことが多い。気が付いたら先送りスパイラルから抜け出せなくなっている。

だから期限を決めてタスク管理しないと、タスクが負債となって心を苦しめることになるのだ。慢性的な睡眠不足の人は「睡眠負債」を抱えていると言う。それと同じように、慢性的に先送りをする人は「タスク負債」を抱えていると自覚しよう。

■先送りしないための2つのポイント

では、どうすれば先送りしなくなるのか? 以下2つのポイントを常に意識していこう。

(1)2分で終わることはすぐやる
(2)2分で終わらないことはスケジュール化する

まず、2分で終わるようなタスクは後回しにせず、すぐにやることだ。どんな小さなことでもいい。20分の作業の最初の2分だけやる、でもいいのだ。これにより、タスクが積み重なって心の負担になることを防げる。

では、2分以上かかるタスクはどうすればいいのか?

2分以上のタスクはスケジュールに組み入れればいい。前述した通り、スケジュールに入れたら忘れなくなり、計画的に進めることができる。

タスクをスケジュールに組み入れることによって、効率的に仕事をこなすことができる。そのために重要なことが「スケール推定」だ。

<参考記事>

敏腕コンサルタントのスゴ技「スケール推定」 超高速マシーンのように効率的に仕事をこなす方法

タスクの処理時間を見積もることができないと、2分で終わるのか。5分かかるのか。仮説を立てようがない。先送りする人の大半が、この「スケール推定」ができない。

そのため「なんとなく面倒」だから後回しにしてしまうのである。たとえば、お客様のアポイントをとるための電話なら、ほとんどのケースで2分以内に終わるだろう。

不在の場合なら、1分もかからない。お客様が電話に出たとしても、だいたいは断られる。このケースでも2分はかからない。スケジュール調整してくれる場合は、2分以上かかるかもしれないが、それは稀だ。

平均値で考えたら、2分以内で終わるのは間違いない。ただ、「面倒」「本当にやる意味があるのか」「もっと他にいい方法があるに違いない」などと考えるから、すぐ取り掛かることができないのだ。考えても意味があることならいいのだが、そうでないなら、そこに時間を使うことが最も効率が悪い。

■2分で終わる作業は「気合い」でできる

2分で片付くタスクはすぐにやったほうがいい。2分にこだわるのは、「やる気」に左右されないからだ。必ず「気合い」だけでできる。

なぜ多くの人が「気合いは大事だが、気合いだけでは解決しない」と言うのか? それはもちろん「気合い」だけでは、長続きしないからである。しかし超短時間なら「気合い」だけでいい。

「気合い」とは、気持ちの勢いのことだ。

「えいやっ!」

「おりゃあ!」

と気持ちを盛り上げるだけで、2分ぐらいの作業はできるはずだ。できなければ、間違いなく「気合が足りない」と言えるだろう。どんな人間でも、「気合い」さえあれば2分ぐらいのタスク処理に没頭できる。

勢いがつけば、さらにその後、5分や10分のタスク処理さえできるかもしれない。だから2分でできるタスクのレパートリーを頭に入れておくことが大事なのだ。

■タスク処理の応用編「重要-緊急マトリクス」

さらに、タスク管理の基本は、優先順位を明確にすることである。優先順位をつけることで、何を最初にやるべきかが明確になり、時間を有効に使えるようになる。

そこで「重要-緊急マトリクス」を活用してみよう。このマトリクスを用いることで、タスクを

・重要かつ緊急

・重要だが緊急ではない

・緊急だが重要ではない

・緊急でも重要でもない

の4つに分類できる。これにより、どのタスクにまず取り組むべきかが一目瞭然となる。定期に紙に書き出して頭の整理をしよう。

■リマインダー機能を「タスク管理ツール」に応用する

また、タスク管理ツールを活用することもおすすめだ。タスク管理ツールを使えば、タスクを一覧化し、進捗状況を把握することができる。私がおススメするのはスマホのリマインダー機能だ。設定さえしておけば、やるべきタスクをプッシュ型で教えてくれる。

このようなツールを有効活用することで、期限を忘れることなく、計画的にタスクを進めることができる。

そして、タスク管理において最も重要なのは、定期的にレビューすることだ。プッシュ通知にばかり頼らないで、タスク一覧を眺めよう。毎朝2分でいい。それだけでタスク負債を減らすことができる。タスクの優先順位も変更できる。

仕事の先送りに悩んでいる多くのビジネスパーソン、マネジャーは、ぜひこれらのポイントを参考にして、効率的なタスク管理を実践してほしい。そうすることで、タスク負債を減らすことができ、心が軽くなること間違いなしだ。

<参考記事>

敏腕コンサルタントのスゴ技「スケール推定」 超高速マシーンのように効率的に仕事をこなす方法

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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