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【Yahoo!ニュース 個人】11月の月間MVAとMVCが決定

(写真:アフロ)

■Yahoo!ニュース 個人、11月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」「文化の発展に寄与する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、Yahoo!ニュース 公式コメンテーターによるニュースへの理解が深まるコメントとして「月間MVC」も選出しました。厳選4本の記事と3本のコメントを、筆者の受賞コメントとあわせてご紹介します。

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11月のMVA

■ワールドカップ日本vsドイツでツイッターが盛り上がった瞬間はいつか(鳥海不二夫)

筆者による受賞コメント:月間MVAに選出していただきありがとうございます。今回のワールドカップでは、日本代表が2回のジャイアントキリングを起こし、ジンクスを破って二大会連続のベスト16まで進んだという事で、ツイッター上でも大きく盛り上がりました。その盛り上がりを追体験できればと思い書いた記事です。スポーツ中継が地上波からネットへと移行しつつある中、これからのスポーツ中継ではツイッター等での盛り上がりはこれまで以上に大きくなるのではないかと思います。残念ながら日本はベスト16で敗れてしまいましたが、次のワールドカップ2026ではまたベスト8を目指す日本代表を応援して盛り上がれればと思います。(鳥海不二夫

選出理由:空前の盛り上がりをみせた今回のワールドカップ。そのきっかけとなった日本VSドイツの初戦は、ツイッター上ではどんな言葉で盛り上がっていたのか。歴史的な一戦を、スポーツ以外の観点から専門家が分析します。奇跡的な勝利に湧き返る報道が続くタイミングでの公開だっただけに、試合の経過とともにツイートの特徴語を追いかけた本記事で、激戦の内容を追体験できたという読者も多かったのではないでしょうか。タイムアップ後、やや落ち着きを取り戻した時間に盛り上がったワードを含め、大会の余韻をあらためて楽しむことができる記事です。

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■葉梨法相「死刑のはんこ」発言で更迭 法相は「2番目に偉い大臣」で法務省も絶大な権限を有するという話(坂東太郎)

筆者による受賞コメント:月間MVAに選出いただき光栄に存じます。法務大臣および法務省が軽んじられ、当の法務大臣が自虐するなど本来あってはならない出来事なのにマスメディアが死刑制度や旧統一教会問題にのみフォーカスするのに違和感を覚えたのが執筆の動機でした。他にも入管業務のような人権に関わる事項を所管しているのに発言の軽さばかりを叩くのは本質を却って見失うという危機感もあったのです。こうした「そもそも」論は地味であまり語られません。だからこそ知らせるべきだとの思いをこうした形で救ってもらったのが何よりの喜びです。(坂東太郎

選出理由:法務大臣を辞任に追い込んだ「死刑のはんこ」発言。この中で、法務大臣は「地味な役職」とも語られました。本記事は、そんな法務大臣、及び法務省の仕事について本来の重要さをタイムリーに分かりやすく解説しています。内閣での序列の高さ、検察に対して発動できる指揮権、かつては法務大臣に有力政治家が配されていたことなど、法務省の歴史的、行政機構的な位置づけとその変遷を紹介しながら、発言で触れられた「軽さ」とは真逆の、法務省の役割の「重さ」を説いています。ある種の特殊さ、分かりにくさのある法務省について「そもそも」を理解する助けになったのではないでしょうか。

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■また起きた!「ベランダ等高所からの子どもの転落死」〜今後、どう取り組むべきか(山中龍宏)

筆者による受賞コメント:子どもが転落死すると、「ベランダの柵は建築基準法に合致していました」と報道されますが、「落ちた」という事実を検証することが不可欠と考えて、このプロジェクトを立ち上げました。エンジニア、建材メーカー、建築会社、ホームインスペクター、保育施設運営者、そして保育園の園児など、多くの人の協力のもと、貴重な実験を行うことができました。この実験で、「子どもは足がかりになるものがなくても自分の身長より高い柵に登ることができる」ということが証明できたので、国はこれをモデルにして、転落死が起きた場合には必ず検証を行い、従来の基準を改正する必要があると思います。(山中龍宏

選出理由:子どもがベランダ等の高所から転落する事故が相次ぐなか、再発を防ぐためには一体何をすればよいのか。筆者は、実物大の模型で柵の高さや手すりを変えて子どもがよじ登れるかを実験した結果も提示しながら、「見守り」や「目を離さないようにする」といった人の努力に依存しない、環境改善による予防策の開発が必要であると説きます。長年子どもの事故防止に取り組んでいる筆者による重みある提言です。

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■「ドローン仏」「専属メイド」「仏具ガチャ」京都の龍岸寺が挑み続ける「今を生きる人々の心に刺さる仏教」(吉村智樹

筆者による受賞コメント:このたびは「Yahoo!ニュース 個人」の2022年11月「月間 MVA」に選んでいただき、まことにありがとうございます。受賞という言葉に縁がない生き方をしているので、ひじょうに驚き、そしてとても嬉しく思っております。京都というと「はんなり」「ほっこり」といった、まるでテンプレートのような表現で雑に扱われるケースが多く、そこに異議がありました。実は皆もっと必死で、懸命に生きているのです。そういったリアルな京都の姿にこれからも迫っていきたいと考えています。重ねてお礼を申し上げます。(吉村智樹

選出理由:仏像が宙を舞う「ドローン仏」を報じた記事は他にもありましたが、京都にお住まいのローカルオーサーとしての専門性と強みを発揮され、お寺の住職や仏具師、活動に賛同する人々を丁寧に取材し、深掘りされています。ともすると宗教は、センシティブな問題とされがちです。しかし、伝統を守ることと新しいことへの挑戦で生じる軋轢や課題を浮き彫りにしつつも、ユーモアと客観性をまじえて語られる内容は、読み物として大変ワクワクさせられました。写真もバラエティに富んでいて、実際に「このお寺を訪れてみたい」など、行動につながっていきそうです。記事に書かれていることは、仏教界に限られたことではなく、何か新しい取り組みを始めてみたいユーザーにもヒントや励みになるのではないかと思いました。

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11月のMVC

■末期に何も食べられない…でも「ガリガリ君」なら 緩和ケア専門家が「救いの神」と呼ぶアイス「私の母は最期はこれでした」(まいどなニュース)の記事へのコメント(大津秀一)

筆者による受賞コメント:終末期が迫ると食欲不振や口渇は深刻化することが多く、ご本人もご家族もつらい時間が続いたりします。そのような中、氷菓が救いとなることは、終末期医療の現場にいるとしばしば経験されるものです。今回、ならではの情報が提供できて良かったと感じております。(大津秀一

選出理由:終末期の患者に氷菓やシャーベット等が好まれるというニュースに対して、専門家として医療現場におけるその価値について補足し、リアルな現状を伝えることで、記事に対して付加価値をプラスするコメントです。

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■まさに「山の主」200キロ超 巨大イノシシの肉に全国から注文殺到…食べてみた(BSS山陰放送)の記事へのコメント(畑中三応子)

筆者による受賞コメント:月間MVCに選出くださり、ありがとうございました。おいしい国産ジビエ肉が食べられるようになった背後には、野生動物と農林業との厳しい現状があります。つい先日、農水省は集中捕獲キャンペーンの成果で、2021年度の農作物被害金額が20年度より6億円減少し、155億円だったことを発表しました。捕獲した動物の肉を無駄にせず食べ、奪った命に報いるためにも、記事で紹介された「奥大山 地美恵」のようなジビエ解体加工施設が各地に増え、普及活動を進めることが重要です。(畑中三応子

選出理由:巨大イノシシが捕獲され、その肉に全国から注文が殺到しているというニュースについて、どうしてこうした食肉の取り組みが進んでいるのかという背景を補足したコメントです。具体的な数値や根拠を用いて客観的に解説することで、ユーザーのニュースへの理解を深める内容でした。

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■レジ横の「コンビニおでん」が減っている!? ファミマとローソンに聞いて分かった背景(ITmedia ビジネスオンライン)の記事へのコメント(渡辺広明)

筆者による受賞コメント:常に現場を周り取材させて頂いているのが報われて大変嬉しく、そしてありがとうございます。過去コンビニ店長時代はお店でおでんを作り、バイヤーの時はおでん勉強会をオーナーを呼んでやったりしていました。その時からの疑問や課題や一方美味しいのでコンビニからおでんが無くなって欲しく無い想いを込めてのコメントでした。引き続き現場感のあるコメント発信していきます。(渡辺広明

選出理由:コンビニで販売されているレジ横のおでんの提供店舗が減っている背景に関して、具体例を掲げながら解説したコメントです。レジ横のおでんの提供を実施している店舗は、販売に前向きな店舗に限定されているため管理面が優れており、美味しいおでんを提供できる店舗が多くなっていることなどコンビニの専門家としてプラスワンの情報を提供してくれました。

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