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大津秀一

大津秀一

認証済み

緩和ケア医師

報告

がんの終末期になると患者さんはよく「口が渇く」と訴えられます。しかしこの口の渇き(口渇)は点滴で改善しないことが多いです。その時に有効な手段・対策が「氷をなめること」等です。実際にそれで一定以上緩和されることはよくあります。氷は味がないですし、すきずきです。そんな時、ガリガリ君は口にしやすいため、好まれる人もいます。またガリガリ君に限らず、シャーベットなどの冷たく溶けやすいものを希望される方もいます。人にもよりますが、それでいくぶんかのどの渇きが良くなるようです。 末期がんで死が差し迫った状態では食事が摂れなくなるのはむしろ普通であり、その量の多寡で余命が大きく変わるわけではありません。一方で、最期までつらさが少しでも緩和され、食の楽しみを感じられることはとても大切です。そんな時に、ガリガリ君やその他の冷たく溶けやすいものが緩和に有用なことを知っておかれるといざという時に役立つと思います。

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コメンテータープロフィール

岐阜大学医学部卒業。緩和医療専門医。日本初の早期緩和ケア外来専業クリニック院長。早期からの緩和ケア全国相談『どこでも緩和』運営。2003年緩和ケアを開始し、2005年日本最年少の緩和ケア医となる。緩和ケアの普及を目指し2006年から執筆活動開始、著書累計65万部(『死ぬときに後悔すること25』他)。同年笹川医学医療研究財団ホスピス緩和ケアドクター養成コース修了。ホスピス医、在宅医を経て2010年から東邦大学大森病院緩和ケアセンターに所属し緩和ケアセンター長を務め、2018年より現職。内科専門医、老年病専門医、消化器病専門医。YouTubeでも情報発信を行い、正しい医療情報の普及に努めている。

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