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畑中三応子

畑中三応子

認証済み

食文化研究家/料理編集者

報告

この30年でシカの個体数は10倍以上、イノシシは3倍以上に増え、生息域も広がり、農林業に深刻な被害を与えています。 2020年度の農作物被害金額は約161億円と膨大。森林破壊の原因の7割はシカですし、イノシシが住宅地に出没して人を襲う事件も起こっています。 個体数を適正に戻すため、捕獲が強化されていますが、捕獲したイノシシとシカの多くが埋設か焼却で処分され、食肉として利用されたのは2017年時点でたったの7%。そこで、せっかく奪った命を無駄にせず、活用する取り組みが積極的に進められています。とくに西日本にはイノシシ肉をブランド化し、地域活性化に生かしている自治体が多く見られます。 発情期のオスのイノシシは肉の臭いが強くなりますが、11月は皮下脂肪をたくさん蓄え、最もおいしくなる時期。栄養豊富なものを食べていたから、200キロもの巨体にまで育ったのでしょう。肉はとびきり美味だと思います。

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コメンテータープロフィール

『シェフ・シリーズ』と『暮しの設計』(ともに中央公論社)の編集長をつとめるなど、プロ向きから超初心者向きまで約300冊の料理書を手がけ、流行食を中心に近現代の食文化を研究・執筆。第3回「食生活ジャーナリスト大賞」ジャーナリズム部門大賞受賞。著書に『熱狂と欲望のヘルシーフード−「体にいいもの」にハマる日本人』(ウェッジ)、『ファッションフード、あります。−はやりの食べ物クロニクル』(ちくま文庫)、『〈メイド・イン・ジャパン〉の食文化史』『カリスマフード−肉・乳・米と日本人』(ともに春秋社)などがある。編集プロダクション「オフィスSNOW」代表。

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