「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見(全文1)本日午前2時28分に再突入し、着陸
今後のJAXAの取り組みは
日本経済新聞:今回、おめでとうございます。日本経済新聞の小玉といいます。山川理事長に伺います。今回、「はやぶさ2」、素晴らしい成果を上げたわけですけれども、日本の宇宙開発を考えるときに、今年の概算要求は大幅に増えましたけれども、まだまだ有人宇宙開発、科学探査、ビジネス化っていうことを考えれば、やらなければいけないことがいっぱいあると思います。その辺りの人材ですとか資金の配分などを含めて、JAXAが科学探査をはじめ、どのような取り組みをこれから考えていらっしゃるのかというのを伺えますか、お考え方を。大ざっぱな質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。 山川:はい。ご質問ありがとうございます。まず「はやぶさ2」が日本の宇宙開発に対してどういう役割を果たしているかというところから短く話をしたいと思います。まず「はやぶさ2」というのは、「はやぶさ1」での経験を最大限生かして、非常に技術的に完成度の高いミッションになったかと思います。まずこれが技術的な観点です。 それから今回、今日、オーストラリア、アダムズ大使閣下と、一緒にこうやって出席してること自体それを表してるんですけども、オーストラリアあるいは米国、ドイツ、フランス、さまざまな国々の協力なしでは実現しなかったミッションだということで、引き続き国際協力というのが宇宙開発の大前提であるというふうにあらためて思った次第です。
バランスを取ってさまざまなプロジェクトに取り組むのが重要
それから今回の「はやぶさ2」の取り組みというのが、特に子供たち、若い世代ですね、若い世代というのは子供たちだけではなくて学生さんを含め、あるいは社会人も含めてさまざまな方が今後、宇宙に取り組む、あるいは宇宙を仕事とする、そういった方向に少しでもお役に立てたのではないかというふうに考えております。 また、もう1つ今回の大きな役割として、皆さまおっしゃってますけども、コロナウイルス感染症で苦しんでおられる方、あるいは闘っておられる方に、少しでも元気を与えられたのであれば非常に幸いであるというふうに思っております。 こういった科学技術、それから人材育成、あるいは社会貢献、さまざまな観点で、宇宙ミッションというものが貢献できるのだというふうに私は思っておりまして、もう1つ申し上げたいのは宇宙開発そのものが、先ほどおっしゃったとおり例えば有人宇宙活動、科学技術、それから例えば地球観測を通した環境問題への貢献、産業振興、さまざまな観点があるというふうに思ってます。 ですので、1つの切り口だけでというよりは、全体を総合的に捉えて日本の国益ですとか、あるいは人類の生活に貢献するという観点で考えることが重要だと思ってます。ですので、ちょっとストレートにお答えになってないかもしれませんけども、人材、教育、あるいは人材育成の観点、そして産業の観点から予算というものをもし今後、いただけるということであれば引き続き、そういう観点でバランスを取ってさまざまなプロジェクトに取り組んでいくことが重要ではないかというふうに思っております。 日本経済新聞:ありがとうございます。 司会:はい。もう1問、相模原会場からお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。はい、じゃあ一番前の方どうぞ。前のスタンドマイクをお使いください。お名前と誰宛ての質問か、お願いします。 【書き起こし】「はやぶさ2」カプセル回収 JAXA会見 全文2に続く