見解給特法が生み出す長時間労働を是正する効果はなく、むしろ有害だ。 教員の長時間労働を削減する単純明快な方策は、増え続ける業務を削減することだ。それができぬなら、人(教員)を増やし対応するしかない。 本来、労基法が適用されるなら、残業上限規制・残業代支払義務による抑制(コスト意識から業務削減)があり、予算が有限であるがゆえに、時短の取り組みが進む。 しかし、公立教員は労基法の「特例」として給特法が労基法の適用を排除している。労基法適用による時短に向けた制度的枠組みを奪っているのだ。 調整額が増やされても、業務削減意欲が職場に生まれるわけがない。むしろ逆に、金を払っているからと業務削減意欲は減退する。固定残業代の職場は長時間労働だ。 残業がなければ残業代は払われない(予算はかからない)のだから、国家予算の有限性を問題にすること自体、本気ではない現れだ。
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コメンテータープロフィール
1975年生まれ。神奈川総合法律事務所所属、ブラック企業対策プロジェクト事務局長、ブラック企業被害対策弁護団副事務局長、反貧困ネットワーク神奈川幹事など。主に働く人や労働組合の権利を守るために活動している。著書に「5年たったら正社員!?-無期転換のためのワークルール」(旬報社)、共著に「#教師のバトン とはなんだったのか-教師の発信と学校の未来」「迷走する教員の働き方改革」「裁量労働制はなぜ危険か-『働き方改革』の闇」「ブラック企業のない社会へ」(いずれも岩波ブックレット)、「ドキュメント ブラック企業」(ちくま文庫)など。
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