「子育て熱心」なぜ闇バイトに 現金回収役は「母親」だった
逮捕されたのは強盗事件の勧誘役。そして、現金回収役は子どもを持つ母親でした。相次ぐ強盗事件はなぜ止まらないのでしょうか。 【画像】SNSの“アルバイト募集” 「男女問わず」「ホワイト案件」主婦、女性にも呼び掛けが
■最初は「荷物の確認に行ってほしい」と指示
こちらに少し視線を向け、歩く男。千葉県四街道市で起きた強盗事件で逮捕された金子優汰容疑者(28)です。 事件が起きたのは3日。四街道市の住宅に侵入し、住人の57歳男性にけがをさせたうえ現金1万3000円を奪った疑いが持たれています。 これは現場近くの防犯カメラの映像。通報を受けた警察が、現場近くの畑で血が付いた服を着た金子容疑者を連行する様子です。 金子容疑者の供述 「生活が困窮し、現金が欲しかった。最初は『荷物の確認に行ってほしい』と言われた」
■子を持つ母も加担? なぜ狙われる?
強盗に関わったとされるのは、若い男だけではありません。 木本容疑者を知る人 「普段は幼稚園の優しそうなお母さんだった」 横浜市・青葉区の強盗殺人事件で逮捕された木本未穂容疑者(30)。その役割が分かってきました。 後藤寛治さんが殺害された横浜の事件を巡っては、すでに宝田真月容疑者ら2人が逮捕されています。 事件後、宝田容疑者が車を運転し、二人を新横浜駅の近くで降ろします。 その後、都内の公園のトイレに向かった宝田容疑者。後藤さんから奪った現金およそ20万円のうち、数万円を置きます。 その数万円を木本容疑者が回収したということです。この金の行方は分かっておらず、警察は、木本容疑者がさらに別の者に金を渡した可能性も視野に調べています。 その木本容疑者、普通の母親だったという証言もあります。 木本容疑者を知る人 「普段は幼稚園の優しそうなお母さんだった。夫もたまに来ている。子どもの送り迎えはいつも熱心にやっている」 木本容疑者の供述 「犯罪で得たお金を回収した。一緒に強盗したことは否定します」 警察は、さらに指示役がいるとみて捜査を続けています。 SNSに投稿されたアルバイト募集には、「男女問わず」「ホワイト案件」と書かれ、主婦、女性にも呼び掛けられています。仮に指示役がいたとすれば、子を持つ母を加担させるメリットはあるのでしょうか。 元埼玉県警捜査1課 佐々木成三氏 「『家族がどうなっても知らないぞ』と圧力をかけることもあると思うし、子どもがいるというなかで生活に困っていると把握した指示役が、『楽して稼げる』など甘い言葉で加担させていると考えられる」 今回のように強盗殺人事件となった場合、“回収役”だったとしても厳しい量刑が科される場合もあります。 佐々木氏 「強盗の現場に行かなくても共謀、共同正犯になり得る。事前謀議をしたうえで犯罪で得たお金を第三者に渡す係だと認識のもと行っている。強盗殺人で得たものを第三者に渡す、この役割というのはかなり大きい。『知らなかった』では済まない」
テレビ朝日