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2023年に反響が大きかった10の事件、その後どうなった?(上)

前田恒彦元特捜部主任検事
寅年も悲しい事件や事故が相次ぎました。辰年は安らかな1年になるといいですね。(提供:イメージマート)

 2023年にヤフー・ニュースで配信した拙稿のうち、閲覧数が多く反響の大きかった順に10の記事を取り上げ、1年の動きやその後の状況について振り返ってみました。

【第1位】

 2023年の拙稿で最も読まれたのは、性犯罪を厳罰化した改正刑法・刑事訴訟法に関する記事でした。それだけ社会の関心が高いテーマだということでしょう。時効延長の規定は6月に施行され、不同意性交等罪などの規定も7月に施行されています。

 この改正により、アルコールの影響のほか、上司と部下といった経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力により不利益が生じることを憂慮させ、同意しない意思を形成、表明、全うすることが困難な状態にさせたり、相手がそのような状態にあることに乗じたりした上で性交やわいせつ行為などに及べば、不同意性交等罪や不同意わいせつ罪として処罰されるということが明文化されました。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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