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「紀州のドン・ファン」事件 検察が逆転有罪に向け補充立証を要する3つの「穴」

前田恒彦元特捜部主任検事
(写真:Motoo Naka/アフロ)

 「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の男性に覚醒剤を飲ませて急性中毒死させたとして殺人罪などに問われた元妻に対し、和歌山地裁は無罪を言い渡した。検察は控訴期限である12月26日に向け、控訴の是非を検討しているという。一審判決で指摘された様々な問題点を補充立証によってクリアし、高裁の裁判官3人のうち少なくとも2人の心証を有罪方向に傾けることができるか否かが重要となる。

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15年間の現職中、特捜部に所属すること9年。重要供述を引き出す「割り屋」として数々の著名事件で関係者の取調べを担当し、捜査を取りまとめる主任検事を務めた。のみならず、逆に自ら取調べを受け、訴追され、服役し、証人として証言するといった特異な経験もした。証拠改ざん事件による電撃逮捕から5年。当時連日記載していた日誌に基づき、捜査や刑事裁判、拘置所や刑務所の裏の裏を独自の視点でリアルに示す。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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