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【浜松市】上半期の穢れを祓う。井伊谷宮の夏越しの大祓(なごしのおおはらえ)

麻生のりこ旅ライター・地域情報発信ライター(浜松市)

浜松市浜名区(旧北区)の井伊谷宮に今年も茅の輪が設置されます。

2024年の茅の輪設置期間は6月29日(土・午後3時頃完成)から7月15日(月・祝)まで。
設置期間中に限り、茅の輪をくぐることができます。

また有料ですが、お祓いの具として人形(ひとがた)をご用意。さらに今年から「蘇民将来之子孫也」の紙札の拝受も。

茅の輪をくぐり、気が付かない間に負ってしまった上半期の罪や穢(けが)れを祓ってみませんか?

※茅の輪の撤収は7月15日の午後3時の予定です

茅の輪(2023年7月4日撮影)
茅の輪(2023年7月4日撮影)

6月の最終日は1年の折り返し点。
気づかぬうちに負ってしまった半年間の罪や穢(けが)れを祓うため、多くの神社ではこの日「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」が行われます。

その際、疫病除け・魔除けの力を持つとされる「茅(ちがや)」で作った茅の輪をくぐり、清浄な状態に戻して自身の疫病、厄難除け・無病息災を祈ります。

井伊谷宮では6月30日(日)午後3時から、夏越の大祓・茅の輪くぐり神事が執り行われます。

井伊谷宮については、こちらの記事をどうぞ▼
【浜松市】「井伊谷宮」の月替わり御朱印は毎月2種類!今月は、どちらにしようかな?

茅の輪をくぐると疫病除けになるのは、蘇民将来(そみんしょうらい)が、旅の途中で素戔嗚尊(すさのおのみこと)を助け家に泊めた伝説に由来します。

その後、蘇民将来が素戔嗚尊から「疫病の際に茅の輪を腰につければ罹患しない」と教わり、それが時代の変遷とともに、大きな茅の輪をくぐる様になったのです。

井伊谷宮の花手水(2023年7月4日撮影)
井伊谷宮の花手水(2023年7月4日撮影)

茅の輪は拝殿前に設置されます。
くぐる前に、まずは手水舎で手や口を清めましょう。

井伊谷宮の手水は年に数回「花手水」になります。

6~7月はアジサイの花手水。
花手水の期間中に数回入れ替えを行うので、参拝のタイミングで異なる種類のアジサイを見ることができます。

2023年7月に参拝した時のアジサイ花手水は、少しシックな雰囲気でした。

井伊谷宮の花手水(2024年6月上旬撮影・画像提供:井伊谷宮)
井伊谷宮の花手水(2024年6月上旬撮影・画像提供:井伊谷宮)

2024年6月上旬のアジサイ花手水はビビットな色合いですね。

アジサイ花手水が見られるのは、アジサイの開花期のみ。
花手水を楽しみたい方は、お早めに参拝を。

茅の輪(2023年7月4日撮影)
茅の輪(2023年7月4日撮影)

神門をくぐると拝殿前に茅の輪が現れます。
井伊谷宮の茅の輪はとても立派。毎年、氏子総代が茅を用いて作っています。

茅の輪のぐり方ですが、輪の中をそのまままっすぐ通り抜けるわけではありません。
左⇒右⇒左と8の字を描きながらくぐり抜け、その後、拝殿前にてお参りします。

詳しい手順は茅の輪の左右の端に図解入りで書かれてるので、ご覧くださいね。

茅の輪をくぐる時に長寿の願いを込め、平安時代に編纂された『拾遺和歌集』に収められている和歌
「水無月の夏越の祓する人は、千歳の命延ぶといふなり」
を唱えるのもお勧めです。

人形(ひとがた)(2021年7月6日撮影)
人形(ひとがた)(2021年7月6日撮影)

井伊谷宮では茅の輪を設置してから、お祓いの具として人形(ひとがた / 形代とも)を出しています(※有料:1枚100円)。

この人形に名前を書き、息を吹きかけてから茅の輪をくぐりましょう。
こうすることにより自身の罪穢れを人形へ移し、お祓いすることができます。

人形は水に溶ける紙でできているので、茅の輪をくぐり抜けた後、水が入った「祓桶」にどうぞ。
祓桶はお賽銭箱付近にあります。

拝殿(2021年7月6日撮影)
拝殿(2021年7月6日撮影)

茅の輪をくぐり抜けた後は参拝を。

先述した祓桶ですが、2021年はお賽銭箱の前に設置されていました。

参拝者の中には、自分自身の半年分の罪や穢れを移した人形が、じわじわじわ~っと溶け消える様子に見入ってしまう方の姿も。

梅雨飾りのてるてるボウズ(2023年7月4日撮影)
梅雨飾りのてるてるボウズ(2023年7月4日撮影)

6~7月末までは史料館付近に、てるてるボウズが飾られます。
飾られているてるてるボウズの数は350個ほど。

白、赤、オレンジに水色、きみどり色…。
梅雨時の気分が晴れやかになるよう、てるてるボウズの色合いはとてもカラフル。
参拝者が願いごとを書いて吊るすことができる物もあります。

もちろん月替わり御朱印も2種類拝受できます。

…と、ここまでは、井伊谷宮での例年通りの夏越しの大祓・茅の輪くぐりですが、今年(2024年)からは「蘇民将来之子孫也」の紙札をいただけるようになりました。

「蘇民将来之子孫也」の紙札(画像提供:井伊谷宮)
「蘇民将来之子孫也」の紙札(画像提供:井伊谷宮)

この「蘇民将来之子孫也」の紙札をお祀りすると、素戔嗚尊が「ここには蘇民将来の子孫が住んでいるんだ」と思い、守ってくださるという信仰があるんですよ。

紙札は薄いため一緒に渡される厚紙の上に貼ってから、各自都合のよい場所へお祀りくださいね(※有料:1枚500円)。

茅の輪(2021年7月6日撮影)
茅の輪(2021年7月6日撮影)

自信では気が付かないうちに負ってしまった半年間の罪穢れ。
井伊谷宮で茅の輪くぐりをし、それらを祓ってみませんか?

なお、茅を持ち帰りたい方は、バケツの中に入ったものをお持ち帰りください。

・夏越の大祓・茅の輪くぐり神事…2024年6月30日午後3時から 
・茅の輪設置期間…6月29日午後3時頃完成予定 / 7月15日午後3時から撤収予定

<基本情報>
施 設 名:井伊谷宮
住   所:静岡県浜松市浜名区(旧北区)引佐町井伊谷1991-1
夏越の大祓・茅の輪くぐり神事:2024年6月30日午後3時から
茅の輪設置期間:6月29日午後3時頃完成予定 / 7月15日午後3時から撤収予定
お祓い具の人形の初穂料:1枚100円 / 「蘇民将来之子孫也」の紙札の初穂料:1枚500円 / 月替わり御朱印の初穂料:1枚500円
駐 車 場:あり(無料)
公式サイト:井伊谷宮の公式サイト (外部リンク)

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旅ライター・地域情報発信ライター(浜松市)

日本史ミーハーな旅ライター。トラベルメディアでは国内の観光スポットなどをめぐり、取材記事を執筆しています。旅先で好きなこと⇒マンホールの蓋探し・西洋館探訪・神社仏閣参拝・城めぐり(18/100) / 2017大河ドラマ直虎まだまだ応援中。ここでは静岡県浜松市へ出掛けたくなる情報を発信します。

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