国民のカネをアメリカに貢ぐ安倍政権
フーテン老人世直し録(91)
文月某日
集団的自衛権行使容認の閣議決定を受け、「まんまとアメリカの罠に落ちた安倍政権」とフーテンは書いた。集団的自衛権の行使を日本に強く要求してきたアメリカの狙いは、日本の安全より、アメリカの軍事力にタダ乗りして世界一の金貸し国となった日本からカネを吸い上げるところにあるからである。
すると6日から訪米した小野寺防衛大臣が、それを裏付けるようにアメリカからの兵器購入計画を次々に打ち上げた。小野寺大臣の訪米はヘーゲル国防長官に閣議決定の内容を説明するためと報道されたが、そもそも集団的自衛権の行使は長年アメリカから要求されてきたことで、安倍内閣はアメリカの要求に従ったに過ぎない。従ってわざわざ説明しに行く必要もない。
ヘーゲル長官との会談の狙いは、集団的自衛権行使の立法作業が始まる前に、日米両政府が作成する「ガイドライン」にそれを反映させてしまうところにある。つまり安倍政権は国会で議論が始まる前に、日米で立法作業の枠組みを既成事実化してしまいたいのである。
日本の民主主義プロセスを全く無視する話だが、安倍政権がそれを望んだという構図なら、アメリカに拒む理由はない。しかし日本国内に反対の声が高まれば、一応の民主主義国であるアメリカは態度を一変させる可能性がある。日本国民の反米感情に火がつけばアメリカにとっては元も子もなくなるからだ。
60年安保では、国民の反対運動の高まりを見て、アメリカは岸元総理の政治手腕にすべての責任を負わせ、岸氏を切り捨てた。そして再軍備路線に抵抗したためいったんは切り捨てた吉田茂元総理をカムバックさせようと画策した。今回も反米感情が高まれば安倍総理の政治未熟を理由に切り捨てる可能性がある。
しかしいずれにしても防衛大臣の今回の訪米は、アメリカにとってより重要な目的があった。それは日本からのカネの吸い上げである。報道によれば小野寺大臣はヘーゲル長官と会談する前に次々に兵器購入計画を打ち上げた。
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