首都圏マンション「バブル期並みに価格上昇するも、よく売れる」の裏側を解説
不動産経済研究所が8月17日に発表した「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2023年7月」によると、首都圏全域の新築分譲マンションの平均価格は9940万円。前年同月比で50パーセント以上の上昇となった。
そんなに高くなっているのに、初月契約率は好調の目安となる70パーセントを大きく超える74.8パーセント……以上の数字から言えるのは、首都圏では「新築マンションが値上がりが止まらない」のに「売れ行き好調」ということだ。
実際、そのような報道が多くなってしまった。たとえば、「首都圏では、新築マンションがバブル期並に上昇」とか「1億円ないと新築マンションが買えない」というニュースである。
ただし、不動産のプロでそれを信じる人はいない。
新築マンションの販売現場に接することがない人であれば、「お金持ちが買っているんでしょ」とか「外国人が買いあさっている」という想像で「価格が上がっても売れている」ことを納得することもできるだろう。
しかし、マンション販売の最前線には、バブルと呼ばれるような好況感も、マンション住戸が飛ぶように売れる好調さもない。
そもそも「首都圏の平均価格が9940万円」と発表されると、千葉県の外房エリアでも、東京都の奥多摩エリアでも、新築マンションが1億円近い値段になっているような印象がある。が、そんなわけはない。
8月17日、不動産経済研究所が行った発表では、神奈川県の平均価格は5633万円で前年同月比で3.3パーセントのダウン、千葉県は平均4465万円で前年同月比3.5パーセントのダウン、埼玉県にいたっては平均4579万円で前年同月比23.4パーセントのダウン……首都圏近郊では、軒並み新築マンション価格が下がっていることも明らかにされている。
にもかかわらず、首都圏では「バブル期並みに新築マンションが値上がりしている」のに「よく売れている」と思い込む人が多くなってしまった。
その裏側にある理由を明らかにしたい。
15年ほど前には「まだ下がるから買うな」の時代も
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