新自由主義からの脱却を問う米大統領選と周回遅れの日本の参院選
フーテン老人世直し録(228)
水無月某日
アメリカ大統領選挙の候補者選びでヒラリー・クリントンが勝利宣言し、「ガラスの天井を突き破り、初めて女性が大政党の大統領候補になった」と演説した。
一方のバーニー・サンダースは「ヒラリーに電話で祝意を伝えた」と述べて彼女の勝利を認めながら、しかし党大会まで「戦いは続く」と演説して支持者の熱狂的な声援を受けた。
サンダースの「戦い」とは民主党の綱領に国民皆保険など「大きな政府」の主張を反映させることである。一方でヒラリーと本選挙を戦うことになるドナルド・トランプはサンダース支持層取り込みに力を入れ、富裕層への課税や最低賃金引き上げを主張している。
ヒラリーも勝利宣言の中で「サンダースの選挙戦は民主党を強くした」と語り、サンダース支持者を取り込む構えを見せた。ヒラリーもトランプも自称「社会主義者」の影響力を無視できないのである。
この予備選挙が始まる前まで全く無名の上院議員バーニー・サンダースは、こうしてアメリカ政治に地殻変動をもたらす存在となった。サンダースの主張がなぜ若者を中心に熱狂的に支持されるかといえば、それが新自由主義とは真逆の思想だからである。
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