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欠航が続く格安航空ノルウェージャン社長「嫌ならSASに乗ればいい」

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
ノルウェージャンの顔としてノルウェーでは有名な社長ビョーン・ヒヨス氏(写真:ロイター/アフロ)

機長不足とカスタマーサービスの悪さで話題となっている格安航空ノルウェー・エアシャトル(ノルウェージャン)の騒動は収まらない。

13日、ノルウェージャンでは予定されていた9便が欠航となったことを現地メディアが伝える。VG紙やDagbladet紙などでは、休暇の予定が崩れ、空港で呆然としているノルウェー人たちの様子を伝えている。

欠航便の件が報道される直前、ノルウェージャン社長のビョーン・ヒヨス氏はTV2に対し、残りの夏は「十分な人数の機長が揃っている」と回答したばかりだった。

しかし、この日に判明した最低9便の欠航の理由は天候などではなく、またも機長不足。

ヒヨス社長は夏前にも現地メディアに「昨年のような問題は起こらない」と、事実上は真実ではない発言をしていた。

ノルウェー国営放送局NRKに対し、同社長は「我々が便をキャンセルしなければいけない時は、飛行機か機長のどちらかが不足している時だ」と回答。

「“もうノルウェージャンで飛ぶのはこれが最後だ”と言っている乗客に対してのコメントは」とNRKの記者が聞くと、「非常に残念です。それでしたら、SASスカンジナビア航空に乗るといいでしょう。SASは我々より5倍も多く便が欠航しますけどね」と答えた。

これに対してSASの広報ヨハンセン氏は失笑。ノルウェージャンよりも便をキャンセルすることは事実だが、5倍という数字は間違いと指摘。「飛行機は時にどうしても飛べない時があります。問題は、その時に乗客がどのような対応を受けるかです」とNRKを通じてコメントした。

Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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