中国へのドア閉じ「日本も米に付随」米報道。世界中で強化、対中の新型コロナ水際対策
新型コロナの感染急拡大に歯止めがきかないながらも、ここに来てゼロコロナ政策の劇的な緩和を打ち出すなど、大きな方向転換をした中国。
それに伴い日本政府は8日から、中国からの入国者に対しさらなる水際措置を強化した。
先月30日より(香港・マカオを除く)中国に7日以内に渡航歴のある入国者全員に対して、日本到着時の検査を実施しているが、今月8日からはより精度の高い抗原定量またはPCR検査に切り替えた。また出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書の提出も中国からの入国者に対して求めている。
中国のゼロコロナ政策の大幅緩和 アメリカと世界の受け止めは?
このような厳しい対中措置は日本だけではない。
アメリカではニューヨークなど北東部などでオミクロン株の1つ、XBB.1.5への感染がこの1ヵ月で急速に拡大していると報じられている。医療従事者などが変異株の流行に戦々恐々とする中、アメリカは新年早々、中国からの入国者に対して陰性証明書の提示を義務付けるなど、水際措置の強化に乗り出した。
この対中政策の音頭を取っているのはアメリカのようで、日本政府の水際措置の強化について、8日米CBSニュースなどが「日本もアメリカの方針に追随し、中国からの入国者に対する水際対策を強化した」と報じた。
対中の水際対策は、日本やアメリカのみならず世界的に行われているムーブメントだ。
7日付の米ブルームバーグは、「変異株が広がる中、中国での新型コロナの感染急拡大(の脅威)から人々を守るため、世界の国々が中国人渡航者に対して、コロナ検査を実施するなど水際対策を強化している」と報じた。
記事によれば、ポルトガルが中国からの入国者に新型コロナの陰性証明を求める欧州の仲間入りをし、ドイツが国民に対して中国への不要不急の渡航を止めるように伝達した。タイは中国人観光客の大量入国に備え、空の便で到着する外国人の入国要件を再導入している。
2日付の米タイムも、このように報じた。春節を前に「中国人観光客が再び海外旅行への準備を進める中、いくつかの国は扉を閉じている」。
「新型コロナの感染が拡大する中、中国の報告と症例の順序立ての信頼性への懸念が高まっている。よって十数ヵ国が中国からの渡航者に対して入国制限を発表」と報じた。中国からの渡航者に対してコロナ検査を再び実施する米国、英国、フランス、スペイン、スウェーデン、オーストラリアなどの国々、到着時の検査で陽性者を隔離する日本やイタリア、到着時の検査に加え中国人に対する短期ビザの発給を制限する韓国、そして中国からの全渡航者の入国禁止を発表したモロッコなどを事例に挙げた。
これら世界中で手綱が締められている対中措置は、中国で感染状況の透明性が欠如してしまっていること、中国国内で変異株の追跡が適切にできていないことなどに対する懸念の高まりがあってのこと。そんな中でも中国国内では2億5000万人以上の人々(過半数は80代以上の高齢者)が、新型コロナワクチンの3回目の接種を受けていないとタイムは報じている。このような理由から、中国は世界中からフルボッコのような措置を取られてしまったようだ。
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(Text by Kasumi Abe)無断転載禁止