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本当の自分の弱い部分を出せずに、強がっていませんか?その原因と対処法を心療内科医が解説

人から「強いですね」と言われるとうれしいですよね!
でも、本当の自分の弱い部分を出せずに、強がっていませんか?
もし、そうだとしたら、自分では意識していないかもしれませんが、「(自分は)強くなければいけない」と思っているのかもしれません。

今回は、このように私たちの考えや行動に影響している「強くなければいけない」というメッセージに気づいて、うまく対処する方法について、心療内科医が解説します。

人生に影響を与えているメッセージ

私たちの考えや行動は、生まれ育った環境の中で出会った人たち(親など)からのメッセージに影響されています。

「人生に影響を与えているメッセージには、ドライバー(「~しなければいけない」といった何かに駆り立てられるようなもの)や禁止令(「~してはいけない」といった禁止する命令)があります。
ドライバーには、「一生懸命努力せよ」、「完全であれ」、「喜ばせよ」、「強くあれ」、「急げ」の5つがあります。」
自分の人生に影響しているメッセージ(ドライバー)の分析【交流分析の脚本分析】より)

以前の記事では、「頑張らなければならない(一生懸命努力せよ)」、「完璧にやらなければならない(完全であれ)」、「喜ばせなければならない(喜ばせよ)」のドライバーについて解説しました。

今回は「強くなければいけない(強くあれ)」について解説します。

「強くなければいけない」のドライバーとは?

「(強い自分をみせてきた)相手から頼ってもらえるとうれしい」、「(ちょっとしたことで泣いている人を見た時に)大丈夫かなと思ってしまう」という人は、もしかしたら無意識に「強い自分には価値がある」、「弱い人間には価値がない」と思っているかもしれません。
そのように思う理由は、無意識のうちに「強くなければならない」のドライバーがあるからです。
「強くあれ」のドライバーがある人は、「そんなことで泣かないの」と言われて育っているため、自分の弱い部分やネガティブな気持ちや思いを表に出さずに、我慢して強く見せる必要があると考えます。
そのため、本当は大丈夫でないのに「大丈夫ですか?」と聞かれると「大丈夫」、「問題ないよ」などと答える人が多い傾向にあります。
このようなタイプの人は、その原因を知って、対処する方法を身につけておきましょう!

「強くあること」の原因、メリット、デメリット

要因

例えば、転んでケガをしても「そんなことで泣かないの」、「我慢しなさい」と言われたり、「しっかりしなさい」と言われたりした経験が積み重なったことが要因になります。

メリット

  • 我慢強い性格でリーダーシップを取ることができます
  • ネガティブな感情を自分でコントロールできることができます
  • 人に依存することがありません

デメリット

  • 自分が悲しい状況やつらい状況でも、感情を表に出すことができません
  • ネガティブな感情をため込み過ぎることで、心身の不調が出てくることがあります
  • 他人に自分の弱いところを話したり、相談したり、他人に援助を求めたりすることができずに、一人で悩み事を抱えてしまいがちになります

「強くあること」によって、体調が悪くなっている時の対処法

「強くなければいけない」と思って、我慢して無理をしたり、ネガティブな感情をため込み過ぎたりして、体調が悪くなっている時には、この「強くなければならない」のドライバーが自分自身に悪い影響を及ぼしている可能性があります。
その場合には、そのドライバーを和らげるために、以下のことを実践してみましょう!

  • 「そんなに強くなくてもいいよ」と、そのままの自分を許してみましょう!
  • 弱い自分も認めてあげて、悲しい時やつらい時には泣いたりすることで、自分の感情を表に出してみましょう!
  • 困ったことがあれば、他人に相談したり、頼ったりして、援助を求めて、一人で悩まないようにしましょう!

まとめ

「強くなければいけない」というドライバーが自分の考えや行動に影響を与えることで、我慢強い性格になったり、リーダーシップを取ることができたりするなど、プラスに働くことが多くあります。
でも、どんな時でも我慢して無理をしたり、ネガティブな感情をため込み過ぎたりして、体調を崩しているのであれば、この「強くなければいけない」というドライバーが自分自身にマイナスに働いている可能性があります。
マイナスに働いている場合は、「強くなければいけない」のドライバーを和らげるために、「そんなに強くなくてもいいよ」と自分自身を許すようにしましょう!

すべてのドライバーについて知りたい方は、自分の人生に影響しているメッセージ(ドライバー)の分析【交流分析の脚本分析】(外部リンク)を読んでみてください。

心療内科専門医・総合内科専門医のよっしーです。心療内科医として20年以上、大学病院で15年以上患者さんを診察してきました。大学では教授として研究や学生の教育も行っています。より多くの人たちのお役に立てるような心と身体の情報を発信しています。健康な人にとっても病気の予防にも役に立つ効果的な治療法(セラピー)の情報やその実践法についてもわかりやすく解説しています。

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