本当の自分の弱い部分を出せずに、強がっていませんか?その原因と対処法を心療内科医が解説
人から「強いですね」と言われるとうれしいですよね!
でも、本当の自分の弱い部分を出せずに、強がっていませんか?
もし、そうだとしたら、自分では意識していないかもしれませんが、「(自分は)強くなければいけない」と思っているのかもしれません。
今回は、このように私たちの考えや行動に影響している「強くなければいけない」というメッセージに気づいて、うまく対処する方法について、心療内科医が解説します。
人生に影響を与えているメッセージ
私たちの考えや行動は、生まれ育った環境の中で出会った人たち(親など)からのメッセージに影響されています。
以前の記事では、「頑張らなければならない(一生懸命努力せよ)」、「完璧にやらなければならない(完全であれ)」、「喜ばせなければならない(喜ばせよ)」のドライバーについて解説しました。
今回は「強くなければいけない(強くあれ)」について解説します。
「強くなければいけない」のドライバーとは?
「(強い自分をみせてきた)相手から頼ってもらえるとうれしい」、「(ちょっとしたことで泣いている人を見た時に)大丈夫かなと思ってしまう」という人は、もしかしたら無意識に「強い自分には価値がある」、「弱い人間には価値がない」と思っているかもしれません。
そのように思う理由は、無意識のうちに「強くなければならない」のドライバーがあるからです。
「強くあれ」のドライバーがある人は、「そんなことで泣かないの」と言われて育っているため、自分の弱い部分やネガティブな気持ちや思いを表に出さずに、我慢して強く見せる必要があると考えます。
そのため、本当は大丈夫でないのに「大丈夫ですか?」と聞かれると「大丈夫」、「問題ないよ」などと答える人が多い傾向にあります。
このようなタイプの人は、その原因を知って、対処する方法を身につけておきましょう!
「強くあること」の原因、メリット、デメリット
要因
例えば、転んでケガをしても「そんなことで泣かないの」、「我慢しなさい」と言われたり、「しっかりしなさい」と言われたりした経験が積み重なったことが要因になります。
メリット
- 我慢強い性格でリーダーシップを取ることができます
- ネガティブな感情を自分でコントロールできることができます
- 人に依存することがありません
デメリット
- 自分が悲しい状況やつらい状況でも、感情を表に出すことができません
- ネガティブな感情をため込み過ぎることで、心身の不調が出てくることがあります
- 他人に自分の弱いところを話したり、相談したり、他人に援助を求めたりすることができずに、一人で悩み事を抱えてしまいがちになります
「強くあること」によって、体調が悪くなっている時の対処法
「強くなければいけない」と思って、我慢して無理をしたり、ネガティブな感情をため込み過ぎたりして、体調が悪くなっている時には、この「強くなければならない」のドライバーが自分自身に悪い影響を及ぼしている可能性があります。
その場合には、そのドライバーを和らげるために、以下のことを実践してみましょう!
- 「そんなに強くなくてもいいよ」と、そのままの自分を許してみましょう!
- 弱い自分も認めてあげて、悲しい時やつらい時には泣いたりすることで、自分の感情を表に出してみましょう!
- 困ったことがあれば、他人に相談したり、頼ったりして、援助を求めて、一人で悩まないようにしましょう!
まとめ
「強くなければいけない」というドライバーが自分の考えや行動に影響を与えることで、我慢強い性格になったり、リーダーシップを取ることができたりするなど、プラスに働くことが多くあります。
でも、どんな時でも我慢して無理をしたり、ネガティブな感情をため込み過ぎたりして、体調を崩しているのであれば、この「強くなければいけない」というドライバーが自分自身にマイナスに働いている可能性があります。
マイナスに働いている場合は、「強くなければいけない」のドライバーを和らげるために、「そんなに強くなくてもいいよ」と自分自身を許すようにしましょう!
すべてのドライバーについて知りたい方は、自分の人生に影響しているメッセージ(ドライバー)の分析【交流分析の脚本分析】(外部リンク)を読んでみてください。