丘の上の終着駅!スカイレールサービス広島短距離交通瀬野線 みどり中央駅(広島県広島市安芸区)
来たる4月30日正午で営業を終了する広島の新交通システム「スカイレール」。起点のみどり口駅からわずか二駅、1.3キロ地点にあるのが終点のみどり中央駅だ。丘の上に造成されたニュータウン「スカイレールタウンみどり坂」の中央に位置しており、南側にはみどり坂中央公園が隣接している。
傾斜地に建つ駅舎は三階建てで、二階の北口が駅前の道路に面している。改札口は二階でホームは三階にある。大きな駅のように見えるが無人駅だ。
北口駅前からはニュータウンを南北に貫く歩道が一直線に伸びている。緑が多く落ち着いた雰囲気の高低差がある住宅地は「みどり坂」という地名を体現している。
改札口にはQRコード対応の自動改札機が二機設置されている。平成25(2013)年1月14日の改札システム更新時に更新されたものだ。右端に見切れているのが券売機。
ホームはみどり口駅同様、乗車用と降車用で分けられている。二つのホームを行き来することはできず、乗車客の改札口と降車客の出口も分離されている。出口に自動改札機はないため、使用した乗車券は持って帰ることが可能だ。
降車用ホームの写真も載せておこう。ホームドアの正面に置かれている箱が使用済み乗車券の回収箱だ。ホームドアや柵で区切られたホームの雰囲気は他の新交通システムやモノレール、地下鉄の駅とも似た雰囲気だが、扉位置が一か所のみというのが物珍しい。
みどり口駅同様、降車客を下ろした車両は一旦終端部に引き上げ、ぐるりと一回転して乗車ホームに入る。スキー場のゴンドラなどと同じシステムだ。
終端部の先には本線から分かれた側線があり、車両が留置されているのが見える。小規模ながら車両基地としての役目を果たしているようだ。
みどり中央駅の標高は216m。52mのみどり口駅との標高差は実に164mもある。平均勾配は単純計算だと126パーミル(1000m進んで126m上がる)で、角度は7度だ。ちなみにアプト式の大井川鐡道井川線が90パーミル、日本一の急勾配を誇るケーブルカーの高尾登山電鉄が608パーミル(31度18分)である。
みどり中央駅からみどり口駅方面を望めば、その高低差に驚くことだろう。瀬野川の谷を挟んだ正面に見える山は坂山だ。スカイレールの廃止まであと二か月足らず、地域住民への配慮をした上でお名残り乗車を楽しもう。所要時間片道6分の空中散歩はあっという間だ。
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