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WWFがオオカミ射殺阻止のためにノルウェー政府をまた提訴 57頭中42頭処分か

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
オオカミ射殺を巡り、裁判所での争いが続く(写真:アフロ)

ノルウェーの野生オオカミの射殺をめぐり、ノルウェー政府と動物愛護団体の対立が終わりを見せそうにない。

国内で生息する「純ノルウェー」オオカミの57頭中42頭を射殺するために、冬の射殺許可を出していたノルウェー政府。

世界自然保護基金WWFノルウェーは、オスロ地方裁判所に政府を訴える。11月21日、最終的な判決がでるまで、狩猟を一時中断するように裁判所は政府に言い渡した。

政府は「狩猟許可が必要だとする理由」の文章を一部変えた。射殺頭数をわずかに減らし、12月1日、新たな狩猟許可を出したことを発表。

13日、WWFはその狩猟許可を止めるために、改めて政府を裁判所に訴えたと発表した。

ノルウェーでは、狩猟地域がオオカミゾーンの「外」(人間や家畜などが優先)か、「内」(オオカミが優先)かの区別が重要となる。

オスロ地方裁判所の判断がクリスマス前までに出ない場合、オオカミゾーンの「外」での狩猟は12月21日から(射殺対象12頭。すでに5頭は射殺済みのため、WWFが守ろうとしているのは残りの7頭)。ゾーンの「内」での狩猟は、1月1日から開始される(射殺対象16頭)。

残りの他の地域に生息する14頭は、すでに射殺対象として決定している(WWFは止めることができない)。

よって、政府が処分したい数は、合計で42頭となる。

WWFノルウェーは、「バカげたことだが、また提訴しなければいけない」とコメントしている。

データ

Text: Asaki Abumi

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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