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テレビドラマの心理学:何を表現し、私たちにどんな影響を与えるのか

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
(写真:アフロ)

<ドラマはフィクション。けれど、私たちはそのフィクションから実際の影響を受ける。しかも、そのドラマは偏っている。>

■私たちとテレビドラマ

ドラマ不遇の時代とはいえ、毎シーズン多くのテレビドラマが放送されます。誰が主演かとか、視聴率がどうとか、大きな話題です。ツイッターのトレンドワードにも、しばしばテレビドラマのネタが上がります。高視聴率で盛り上がれば、時に社会現象まで引き起こします。

テレビ離れが進んでいるとはいえ、今も一度に何百万何千万の人が一度に視聴し、そんなことが毎週続きます。

ドラマはドラマで、フィクションです。作り話です。しかしその物語に、私たちは良くも悪くも影響を受けます。だからこそ、楽しいとか面白いといった話題だけではなく、激しい抗議が行われることさえますます。

テレビドラマは、何をどう描写してきたのか。私たちはどんな影響を受けているのでしょうか。

■テレビドラマの偏り

テレビドラマの「偏り」に関する研究によると、現実よりも、男性ばかり登場する、人が死にすぎる、善人が多い、美男美女が多い、暴力シーンが多いなどが指摘されています。ドラマに登場する女性は、「弱い女性」が描かれることもあれば、「理想的(すぎる)女性」が描かれることもよくあります。

たとえば、若者たちは「恋愛幻想」を持っていると言われます。恋愛こそ素晴らしく、彼氏彼女がいないことは恥ずかしく、そして典型的なイケメンや、アイドルのような女の子こそが異性にモテるのだと思い込み、悩んだりもします。

テレビドラマには恋愛がつきものです。多くの若者たちが観ます。ドラマは、若者の恋愛幻想を助長しているかもしれません。

テレビには完璧な女性も登場します。これが、現代女性のスーパーウーマン症候群(仕事も家事も子育ても完璧にしなければならないと思い込む症状)に影響を与えているでしょう。

■テレビの登城人物:主人公はどんな人?

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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