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47年堅持した欧州トップ10から陥落したバルセロナ。失われた特別感。世界に追いつかれてしまったのか

杉山茂樹スポーツライター
ルイス・エンリケとグアルディオラ(写真:ロイター/アフロ)

 チャンピオンズリーグ(CL)を欧州1部とするならば、ヨーロッパリーグ(EL)は欧州2部であり、カンファレンスリーグ(UECL)は欧州3部となる。その3つのカップ戦の、過去5年の戦績に基づいて算出されるのがUEFAランキングで、各国リーグの来季の出場枠は、その順列で決定される。

 今季はそのランキングに異変が起きた。1999年以降24年の間、2位以内を守ってきたスペインが、イタリアに抜かれ3位に転落した。スペインはCL決勝にレアル・マドリードが進出。イタリアもUECL決勝にフィオレンティーナが駒を進めていて、それぞれの結果次第ではスペインが2位の座に返り咲く可能性はある。ドルトムントがCL決勝に進出した4位ドイツも僅差で追っている。予断を許さない混沌とした状況にあるが、その原因をスペインが誘発しているというわけだ。

 今季(2023-24)に限ればトップ5は、1)イタリア、2)ドイツ、3)イングランド、4)フランス、5)スペインの順になる。昨季(2022-23)は、1)イングランド、2)イタリア、3)ドイツ、4)スペイン、5)フランスの順だった。

 CLでレアル・マドリードが強さを発揮しているにもかかわらずスペインリーグ全体としては下降線を辿る。ということは他のチームに低迷する原因があることが明らかになる。

 その筆頭格はレアル・マドリードの永遠のライバル、バルセロナだ。最後にCL優勝したのは2014-15シーズン。そこから9年間、CL決勝にさえ進出することができていない。現在の欧州クラブランキングは12位。バルサが最後に欧州のトップ10から外れたのは1977年になので47年もの間、欧州トップ10の座を堅持してきたことになる。この事実に改めて驚かされるが、そこから弾き出されたという事実はだからこそニュース性が高いのである。

 レアル・マドリードは、チャンピオンズカップ時代を含めると通算14度、欧州一に輝いている。1992-93にスタートしたCLでも8回を数える。以下ミラン(通算7回・CL5回)、バイエルン(通算6回・CL3回)、リバプール(通算6回・CL2回)、バルサ(通算5回・CL4回)、アヤックス(通算4回・CL1回)と続く。バルサはレアル・マドリードに優勝回数で大きな差をつけられている。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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