将棋のeスポーツ化?:リアルタイムバトル将棋
これまでJeSU(日本eスポーツ連合)さんと散々意見対立してきた私ですが、こればかりは認めざるを得ません。以下、engadget日本版からの転載。
一昨年前、これまでその「必要性」を謳ってきた自前のプロ認定制度が、実は本当は必要なかったということをウッカリ告白してしまったJeSUさんでありますが、すでに形骸化してしまったこの制度の使い道として、上記は唯一にして大変意義ある使い方だと思うんですよ。
【参考】日本eスポーツ連合さん、うっかり自ら「プロ制度は不要」を証明してしまう
https://news.yahoo.co.jp/byline/takashikiso/20190912-00142276/
そもそも将棋の世界にはプロ制度は存在しており、そちら側で何かしらの「プロ」の枠組みを作るのはそんなに難しいお話ではないですし、「将棋の世界での」格としては当然ながら日本将棋連盟さん側と連携した方が良いハズなんです。
で、ありながら「あえて」ここでJeSU認定をとって「プロ」を名乗るというのは、寧ろ今までの日本将棋連盟の枠組みではなく「eスポーツ」という枠組みの中で新しいファン層の獲得をしたい、おそらくそういう意図なのだと思うのですよね。そういう意味では「これってeスポーツなんですっけ?」という、非常に微妙なラインにいるゲーム種にとっては、(一応ながらも)日本eスポーツの世界で統括団体を名乗っているJeSUさんに認定を頂くことって、「我々もeスポーツです!」って堂々と名乗るにあたって非常に有効な手段だと思うんですね。
そう考えると、リアルタイムバトル将棋と同様にJeSUによるプロ認定制度を利用すべき対象というのが色々見えてきます。例えば、カジノの世界では上記でいうところの「リアルタイムバトル将棋」と全く同じコンセプトで開発された「リアルタイムバトル・ポーカー」と呼んでよいマシンゲームがすでに複数存在しています。例えば以下のような機種。
上記Grab Pokerは、本来ターン制で争うポーカーを文字通りリアルタイムバトル制で「必要なカードを奪い合う」仕様に置き換えた新しいマシンゲーム筐体で、(認可の下りている行政区では)カジノに設置可能なギャンブル機であります。これなんかは、上記でJeSU認定を受けたリアルタイムバトル将棋と全く同じコンセプトでゲームをポーカーに置き換えたものであり、リアルタイムバトル将棋がeスポーツの枠の中に入るのであれば、リアルタイムバトル・ポーカーだって同様にeスポーツの枠内に入って然るべきであります。
もっというと、我が国における射幸ゲームの代表格であるパチンコ/パチスロにおいても、主要メーカーのひとつであるサミー社が主導する形でそのプレイ技術を争う競技化が進んでおります。以下、現代ビジネスからの転載。
例えばパチスロなんてのは、液晶ゲーム画面を備え、回転するリールをタイミングよく止めることで獲得する点数を争うゲームであるわけですから、(無理やり主張すれば)「我々はリズムゲームです」とも言えるわけで、寧ろサミーさんはPスポーツなんてヌルい事を言ってないで、パチンコ業界への新しいファン層の取り込み施策の一つとして寧ろ積極的にJeSU認定を取ってパチンコ/パチスロをeスポーツだと言い張るべきなんですよね。
…って考えてゆくと、実は現JeSUの会長はサミーと同様にセガサミーグループ傘下のセガ会長取締役の岡村秀樹さんなんですよね。そう考えると「なるほど、紆余曲折に見えたここまでのJeSUの組成はセガサミーグループの『100年の計』だったのか(棒」と。JeSUさんとeスポーツの新展開に、引き続き胸を躍らせながら彼らの今後の活動を生温かく見守って参りたいと思うところであります。