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日本人メジャーリーガーの「サヨナラ本塁打」は、筒香嘉智の逆転3ランが8本目

宇根夏樹ベースボール・ライター
筒香嘉智(中央)Aug 29, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月29日、筒香嘉智(ピッツバーグ・パイレーツ)が、ここ10試合で5本目となるホームランを打った。ちなみに、シーズン全体の本数も、同じく5本だ。

 場面は、2点ビハインドの9回裏、1死一、二塁。その初球だった。筒香のバットが弾き返したボールは、PNCパークの場外まで飛んでいき、試合を終わらせた。

 日本人メジャーリーガーによるサヨナラ本塁打は、これが8本目だ。松井秀喜が3本、イチローが2本、井口資仁青木宣親が1本ずつ記録していて、そこに筒香が加わった。

筆者作成
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 2012年6月7日の青木は、4回裏の先制ホームランに続き、10回裏にサヨナラ本塁打を打った。青木がメジャーリーグで複数のホームランを打った試合は、他にはない。

 ビハインドからの逆転サヨナラ本塁打は2本。イチローの1本目と今回の筒香がそうだ。他の6本は同点から打ち、走者もいなかった。3ラン以上は筒香が初めてだ。

 2009年9月18日のイチローは、ニューヨーク・ヤンキースのマリアーノ・リベラからサヨナラ本塁打を打った。「意外!? 300セーブに到達したチャップマンはセーブ王もシーズン40セーブも皆無。他の達成者たちは…」に掲載したリストのとおり、リベラは誰よりも多くのセーブを挙げた投手だ。サヨナラ被本塁打は通算5本。イチローに打たれたのは、その5本目だ。イチローが2本目のサヨナラ本塁打を記録した、2013年6月25日の試合にも、リベラは登板している。9回表を無失点で終え、イチローのサヨナラ本塁打によって白星を手にした。

 日本人選手にサヨナラ本塁打を打たれた8投手――いずれも違う投手――のうち、通算セーブがリベラに次いで多いのは、松井の2本目の相手、ジム・ジョンソンだ。2012~13年に2年続けて50セーブ以上を記録し、通算178セーブを挙げた。イチローの2本目の相手は、その5年後に千葉ロッテ・マリーンズで投げたタナー・シェッパーズだ。メジャーリーグの6シーズンで3セーブと47ホールド、日本プロ野球では1セーブと9ホールドを記録した。

 なお、パイレーツ入団後の筒香は、27打数9安打(打率.333)。二塁打が2本、三塁打が1本、ホームランが5本なので、9安打中8本が長打だ。その半数に当たる4本、二塁打1本とホームラン3本は、代打として記録した。

 筒香が打った1本目と2本目の代打本塁打については、それぞれこちらで書いた。

「筒香嘉智が代打でシーズン初ホームラン。日本人メジャーリーガーの「代打本塁打」は何本目!?」

「今シーズンの「代打本塁打2本以上」は、筒香嘉智が19人目。最多の4本を打っている選手は7月に解雇」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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