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今シーズンの「代打本塁打2本以上」は、筒香嘉智が19人目。最多の4本を打っている選手は7月に解雇

宇根夏樹ベースボール・ライター
筒香嘉智(ピッツバーグ・パイレーツ)Aug 23, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月23日、筒香嘉智(ピッツバーグ・パイレーツ)は、7回裏に代打として起用され、ホームランを打った。3日前と2日に続く、今シーズン3本目のホームランだ。最初の1本も、代打だった。

 今シーズン、複数の代打本塁打を記録したのは、筒香が19人目だ。最多の4本を打っているパブロ・サンドバルは、現在、どの球団にも在籍していない。7月30日のトレードで、エディ・ロザリオ(+50万ドル)と交換にアトランタ・ブレーブスからクリーブランド・インディアンズへ移り、その数時間後に解雇された。インディアンズはサンドバルを欲しかったわけではなく、金銭の調整をするためにトレードに含められたようだ。

 サンドバルと筒香の差は2本しかなく、このペースでいけば、筒香が今シーズン最多の代打本塁打を記録する可能性もある。ただ、筒香としては、代打よりも先発出場の機会を多く得たいところだろう。代打で打つほうがインパクトはあるかもしれないが、先発出場で結果を残すほうが来シーズンに向けてのアピールになる。

 パイレーツ入団後、ここまでの出場7試合は、単なる偶然かもしれないが、代打→一塁→レフトという3試合の「サイクル」が2巡して、3巡目に入っている。先発出場4試合は、15打数3安打。二塁打とホームランとシングル・ヒットが1本ずつだ。代打の3打席は、すべて長打。二塁打とホームラン2本だ。

 ピッツバーグ・ポスト-ガゼッタのマイク・パーサックらによると、パイレーツは8月22日に外野手のグレゴリー・ポランコをアウトライト・ウェーバーにかけたらしい。ウェーバー公示中も出場はでき、実際、ポランコは23日の試合に先発出場している。だが、公示期間が終われば――公示中に他球団が獲得を申し出る可能性は低い――パイレーツはポランコを解雇するか、マイナーリーグ降格を言い渡すのではないだろうか。そうなれば、筒香が先発出場する機会は増えるかもしれない。

 なお、筒香の前に代打本塁打を記録した日本人メジャーリーガーについては、こちらで書いた。

「筒香嘉智が代打でシーズン初ホームラン。日本人メジャーリーガーの「代打本塁打」は何本目!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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