「安倍総理の安倍総理による安倍総理のための選挙」だから最低投票率
フーテン老人世直し録(121)
極月某日
メディアは「自公の圧勝」とか「安倍大勝」と騒いでいるが、そもそも衆議院で3分の2の勢力を持っていた自公が再び3分の2を確保しただけである。そして安倍総理の仕組んだ通りに過去最低の投票率となり、有権者のほぼ半数が投票に背を向けた。
野党第一党の民主党は、代表が落選という象徴的な出来事はあったがやや議席を伸ばし、いわゆる第三極は流動化、一方で公明、共産という統制型政党がしっかり議席を増やした。しかしだからと言って日本政治の構図が変わる訳ではない。
それもそのはずで今回の解散・総選挙は安倍総理の求心力を維持するためだけに行われた。任期の半ばに達していない衆議院議員の首を切り、アベノミクスも憲法改正も「道半ばの状態のまま」にして選挙を行ったのはそのためである。
アベノミクスを「まだ道半ば」と安倍総理に言われれば、言われた国民は何とも評価することが出来ない。とりあえず「もう少しやって結果を出してくれや」という話になる。野党から「この道は危ない」と言われても、まだその危険性を実感していない段階なので聞く耳を持てない。中途半端な段階で信を問われた国民はそうなった。
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