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「安倍総理の安倍総理による安倍総理のための選挙」だから最低投票率

田中良紹ジャーナリスト

フーテン老人世直し録(121)

極月某日

メディアは「自公の圧勝」とか「安倍大勝」と騒いでいるが、そもそも衆議院で3分の2の勢力を持っていた自公が再び3分の2を確保しただけである。そして安倍総理の仕組んだ通りに過去最低の投票率となり、有権者のほぼ半数が投票に背を向けた。

野党第一党の民主党は、代表が落選という象徴的な出来事はあったがやや議席を伸ばし、いわゆる第三極は流動化、一方で公明、共産という統制型政党がしっかり議席を増やした。しかしだからと言って日本政治の構図が変わる訳ではない。

それもそのはずで今回の解散・総選挙は安倍総理の求心力を維持するためだけに行われた。任期の半ばに達していない衆議院議員の首を切り、アベノミクスも憲法改正も「道半ばの状態のまま」にして選挙を行ったのはそのためである。

アベノミクスを「まだ道半ば」と安倍総理に言われれば、言われた国民は何とも評価することが出来ない。とりあえず「もう少しやって結果を出してくれや」という話になる。野党から「この道は危ない」と言われても、まだその危険性を実感していない段階なので聞く耳を持てない。中途半端な段階で信を問われた国民はそうなった。

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ジャーナリスト

1969年TBS入社。ドキュメンタリー・ディレクターや放送記者としてロッキード事件、田中角栄、日米摩擦などを取材。90年 米国の政治専門テレビC-SPANの配給権を取得。日本に米議会情報を紹介しながら国会の映像公開を提案。98年CS放送で「国会TV」を開局。07年退職し現在はブログ執筆と政治塾を主宰■オンライン「田中塾」の次回日時:11月24日(日)午後3時から4時半まで。パソコンかスマホでご覧いただけます。世界と日本の政治の動きを講義し、皆様からの質問を受け付けます。参加ご希望の方は https://bit.ly/2WUhRgg までお申し込みください。

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