菊池雄星はエンジェルスのエースになるのか。今オフ加入の先発投手は2人目
来シーズンから、菊池雄星は、ロサンゼルス・エンジェルスのユニフォームを着て投げるようだ。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンやMLB.comのマーク・フェインサンドらが、3年6300万ドル(2025~27年)の契約で合意、と報じている。
そのとおりであれば、エンジェルスがFA市場に出ていた先発投手と総額5000万ドル以上を交わすのは、再契約を含め、13年ぶりとなる。2011年のオフに、C.J.ウィルソンを5年7750万ドル(2012~16年)の契約で迎え入れて以来だ。ちなみに、C.J.と菊池は、どちらも左投手。エンジェルスと同地区の球団からFAになったことも――それぞれ、テキサス・レンジャーズとヒューストン・アストロズ――共通する。
今オフ、エンジェルスが手に入れた先発投手は、菊池が2人目だ。今月初旬、シカゴ・カブスからFAになっていたカイル・ヘンドリクスと1年250万ドル(2025年)の契約を交わした。ヘンドリクスについては、こちらで書いた。
◆「エンジェルスが手に入れた先発投手は防御率5.92、年齢は35歳。復活は期待できるのか」
一方、エンジェルスは、2人の先発投手を手放している。アトランタ・ブレーブスからDH&外野手のホルヘ・ソレーアを獲得し、交換にグリフィン・キャニングを放出。さらに、パトリック・サンドバルをノンテンダーとした。ちなみに、キャニングも、ブレーブスにノンテンダーとされた(「ここ3年のエンジェルスで最多イニングの投手がノンテンダーFAに。今オフにトレードで放出した投手も」)。
現時点のメンバーからすると、ローテーションの1番手は、菊池だろう。2番手以降には、ホゼ・ソリアーノ、タイラー・アンダーソン、ヘンドリクスが並び、5番手は、リード・デトマーズ、チェイス・ソーセス、ジャック・コハノウィッツ、サム・アルデゲリ、ケイデン・デイナら、若手の誰かとなりそうだ。
菊池は、夏のトレードでトロント・ブルージェイズからアストロズへ移った。移籍前の115.2イニングで防御率4.75に対し、移籍後は60.0イニングで防御率2.70を記録した。奪三振率は10.12→11.40、与四球率は2.33→2.10だ。サンプル数は多くないものの、移籍後の投球を継続できれば、単なる1番手ではなく、エースになり得る。
ただ、菊池が好投しても、2014年を最後に遠ざかるポストシーズンにたどり着くには、不安が残るローテーションのような気がする。
ソリアーノは、2024年に113.0イニングで防御率3.42を記録したが、メジャーリーグ2年目を終えたところだ。2023年は、どの試合もブルペンから登板した。アンダーソンは、ここ4シーズンとも140イニング以上ながら、防御率は4.53→2.57→5.43→3.81と推移している。また、アンダーソンとヘンドリクスの年齢は、菊池より上だ。2人とも、来月に35歳の誕生日を迎える。
ヘンドリクスはともかく、ソレーアと菊池を入手したということは、2025年にエンジェルスは勝とうとしているはずだ。ローテーションにはあと1人、菊池と並び立つ投手が必要ではないだろうか。