ドジャースからFAになった投手を手に入れた場合、ヤンキースは誰をローテーションから外すのか
2024年のニューヨーク・ヤンキースには、15試合以上の先発マウンドに上がった投手が6人いた。いずれも、FAにはなっていない。エースのゲリット・コールは、9年3億2400万ドル(2020~28年)の契約をオプト・アウトした――途中で打ち切った――が、ヤンキースは、2029年の年俸3600万ドルを追加し、オプト・アウトを打ち消した。どちらの動きも、契約を交わした時点でそうできるようになっていた。
ただ、MLBネットワークのジョン・モロシによると、ヤンキースとウォーカー・ビューラーは、互いにいくらかの興味を持っている、という。今オフ、ビューラーは、ロサンゼルス・ドジャースからFAになった。
2度目のトミー・ジョン手術から復帰した2024年は、75.1イニングで奪三振率7.65と与四球率3.35、防御率5.38ながら、2018~22年の5シーズンは、計629.0イニングを投げ、奪三振率9.70と与四球率2.20、防御率2.95を記録している。なかでも、2019年は182.1イニングで防御率3.26、2021年は207.2イニングで防御率2.47だ。年齢は、来年7月に31歳となる。
2024年のシーズン全体と後半における、ヤンキースの先発投手は、以下のとおり。スタッツは、リリーフ登板時も含んでいる。
ウォーカーに限らず、ローテーションに新たな投手が加われば、コール、カルロス・ロドーン、ネスター・コーテズ、マーカス・ストローマン、ルイス・ヒール、クラーク・シュミットの6人のうち、少なくとも1人は外れることになる。5人のローテーションなら、先発投手の加入がなくても、1人余る。
シュミットとヒールは、マイナーリーグ・オプションが残っている(来シーズンの開幕をAAAで迎えるであろう2人、ウィル・ウォーレンとコディ・ポティートも同様)。だが、ローテーションから外れる可能性が最も高いのは、ストローマンだろう。
ここ4シーズンの防御率は、3.02→3.50→3.95→4.31と推移している。与四球率も、2.21→2.34→3.42→3.49と上昇。また、過去3シーズンは7.70以上(7.95未満)だった奪三振率が、2024年は6.58にとどまった。もともと、多くの三振を奪う投手ではないので、奪三振率の低下は問題ではないかもしれないが、2024年のゴロ率は、スタットキャストとファングラフスのどちらのデータにおいても、キャリアで初めて50%を下回った。
来シーズンの年齢(6月30日時点)は、コールと同じ34歳。あとの4人は、32歳以下だ。現在の契約は、2年3700万ドル(2024~25年)。2025年の年俸は、1800万ドルだ。
ストローマンともう1人がローテーションから外れるとすれば、コーテズかヒールだろうか。ストローマンと同じく、コーテズも来オフにFAだ。ヒールが2024年に記録した与四球率4.57は、150イニング以上の71人のなかで最も高く、あとの70人は3.95未満だった。新人王に選ばれたものの、来春のスプリング・トレーニングでローテーション入りを争うことになるかもしれない。