ここ3年のエンジェルスで最多イニングの投手がノンテンダーFAに。今オフにトレードで放出した投手も
11月22日、ロサンゼルス・エンジェルスは、パトリック・サンドバルら4人をノンテンダーとした。彼らは、契約を解除され、FAとなった。
サンドバルは、ここ3シーズンに、先発71登板で373.0イニングを投げ、防御率3.84を記録した。この先発登板とイニングは、エンジェルスでは最も多い。200イニング以上の5人中、サンドバルと大谷翔平(現ロサンゼルス・ドジャース)以外の3人は、防御率4.50以上だ。
サンドバルのシーズン防御率は、2.91→4.11→5.08と上昇しているが、FIPは3.09→4.18→3.87だ。FIPは、フィールディング・インディペンデント・ピッチングの略。ざっくり説明すると、守備の要素をできる限り排除した防御率だ。
年齢は28歳。先月半ばに誕生日を迎えた。ノンテンダーとされなければ、FAになるのは2026年のオフだった。
6月下旬にトミー・ジョン手術を受けていて、復帰できるのは、早くても来シーズンの後半以降。全休もあり得る。2024年の年俸は502万5000ドルだ。調停の申請権を持っているため、2025年も同水準になると思われる。ノンテンダーの理由は、この年俸だろう。
それでも、2026年にローテーションの一角を占め、防御率4.00前後を記録できる投手として――その可能性があるとして――サンドバルに契約を申し出る球団は現れるかもしれない。エンジェルスが呼び戻しても、おかしくない。あり得そうなのは、2年契約、あるいは、1年契約+1年分の球団オプションだ。後者であれば、回復具合により、来オフにオプションを行使するのか破棄するのかを、球団が選択できる。
なお、サンドバルと同じ2019年にメジャーデビューし、先月末のトレードまでエンジェルスにいたグリフィン・キャニングも、アトランタ・ブレーブスからノンテンダーとされた。キャニングは、ここ3シーズン――2022年は全休なので2023~24年の2シーズン――に、先発53登板とリリーフ3登板で298.2イニングを投げ、防御率4.82を記録した。ここから、メジャーリーグ契約を得ることができるかどうかは、微妙な気がする。
キャニングは、ホルヘ・ソレーアと交換に、エンジェルスからブレーブスへ移った(「エンジェルスはトレードで先発投手を放出し、5年前の本塁打王を獲得する。この動きは理に適っている!?」)。やはり、ブレーブスがこのトレードを行った目的は、支出の削減だったようだ。