国会の延長は冥土の旅の一里塚
フーテン老人世直し録(158)
水無月某日
安倍政権は安保法案の成立を確実にするため、95日間という過去最長の通常国会延長を決断した。しかしどれほど延長しても、政府がこれまでと同じ説明を繰り返すのであれば国民の理解は得られない。国民の理解が得られないまま成立させればどうなるか。日本は安保政策を巡り分裂した国になる。会期延長はその分裂を助長する。
フーテンは一休和尚の言葉にある「門松や冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」と今回の会期延長を重ね合わせた。めでたいはずの事が、よく考えれば寿命を縮めていくという話である。
安倍総理にとって「米国をはじめ各国に公約した安保法制の成立が確実になる」話は「めでたい」であろう。そのため国会を延長した。しかし延長しても安保法案の成立を「確実に」するには命を削らなければならないほどの苦労がある。
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