再びフーシ派が米空母アイゼンハワーを撃破したと発表、おそらくまた虚偽か
6月22日、イエメンのフーシ派は紅海に居る米海軍の空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」への攻撃に成功したと発表しました。しかし三週間ほど前の5月31日~6月1日にかけてフーシ派が主張した米空母の撃破は虚偽だったので、おそらく今回もまた虚偽でしょう。
紅海を遊弋する空母アイゼンハワーの健在ぶりは欧州と中国の光学衛星で頻繁に確認されており、また6月7日に極東に向かう途中のイタリア空母「カヴール」と空母アイゼンハワーが一緒に記念撮影した写真が6月9日に公開されています。もちろん空母は無傷でした。
今回のフーシ派の大本営発表についてもいちいち真に受ける必要はないでしょう。既にアメリカ軍は空母の被弾を否定しています。
なお空母アイゼンハワーは6月1日の時点で2度目の任務延長を行い本国への帰還は1カ月遅れる予定が報道済みで(AP通信)、6月21日には3度目の任務延長は無しとなり帰還が決定、交代の中東展開の空母は太平洋から空母「セオドア・ルーズベルト」を派遣する予定が報道されています(米海軍協会)。残業続きの空母アイゼンハワーは8カ月以上連続で任務に就いており、9カ月に及ぼうとする航海日数は米空母では過去5年間で最も長い連続行動を強いられていますが、ようやく帰ることができます。
もう直ぐ空母アイゼンハワーは中東展開任務を終えて本国への帰還を始めます。紅海を離れるためにスエズ運河を渡ることになるでしょう。その時に空母の姿は陸からも衆目の元に晒され、空母の健在ぶりは全世界に向けて知れ渡ることになります。つまりフーシ派の大本営発表はもう直ぐ確実に嘘だとバレてしまうことになります。
参考:過去のスエズ運河を渡る米空母の様子(2013年3月16日)