紅海で米空母アイゼンハワーと伊空母カヴールが合同演習を実施。フーシ派が撃破を主張していた米空母は無傷
6月7日にイタリア空母「カヴール」が紅海でアメリカ空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」と合同演習をしていたことを、6月9日にアメリカ海軍が公式発表しました。空母カヴールはこの後に東アジア方面へ向かい、予定では8月下旬に日本にも寄港する予定です。出典:アメリカ軍広報サイトDVIDS
空母アイゼンハワーに対してはイエメンのフーシ派が5月31日~6月1日に攻撃を行って撃破したと主張していましたが、損傷は何処にも見られず無傷のまま紅海を遊弋しています。
2024年6月7日撮影、紅海の空母アイゼンハワー
空母アイゼンハワーについてはイエメンのフーシ派が5月31日から6月1日にかけて2回の攻撃を実施して撃破したと主張していましたが、アメリカ軍は空母への攻撃そのものを否定し、6月2日には欧州と中国の光学衛星が紅海の空母の姿を捉えており健在は確認されていました。
関連:衛星画像で紅海の米空母アイゼンハワーの健在を確認(2024年6月3日)
ところがインターネットの一部のSNS上では空母が撃破されたかのような噂話がまことしやかに唱えられ、過去の関係無い船の火災事故の画像やゲームの動画が空母撃破の証拠だと流されて、挙句にフォトショップの加工で空母に穴を空けた偽映像まで登場し、ロシア国営のスプートニク・アラビア語版はその偽映像を紹介するなど、嘘のプロパガンダが一週間以上も横行していました。
このように意図的に嘘を吐くフェイクニュースはインターネット上では珍しくなく、国営の報道機関(というよりは対外宣伝機関)ですら偽情報を流しているので、信じないように注意する必要があります。根拠の無い陰謀論は相手にしないようにすべきで、その点では空母アイゼンハワー撃破というあからさまな嘘を全く報じなかった日本の大手メディア各社は正解だったのでしょう。