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NLPを活用した絶対達成コーチング ―誘導編― 「いい圧力」と「悪い圧力」

横山信弘経営コラムニスト
(写真:アフロ)

■やはり「圧力」は重要か?

――どう考えてもそれは違う。何を勘違いしているんだ。どうか気付いてくれ。もっと自覚を持て。自分で勉強して、それぐらいの知識は手に入れてくれ。

自分の都合のいいように受け止めるな。そんなことをしていると、結局は自分が損するだけだ。なのに、どうしてそれがわからないんだ。どうか気付いてくれ。

絶対に、このほうがいいのだから――。

「やっぱり『圧(あつ)』は重要ですか」

オンライン面談をしている最中、ある企業のベテラン部長からそう言われた。部下の成長スピードが遅いと、かなり困っている様子だった。私は「重要ですね」と即答したのだが、その部長はまだ浮かない顔だ。

「部下にコーチングしているのですが、どうしても『圧(あつ)』をかけることができなくて」

「コーチングの話でしたか。それなら『圧力』とか『プレッシャー』はかけてはいけませんよ」

私は慌てて前言を取り消した。部下指導とか部下育成ならば、やはり上司として多少の「圧(あつ)」が必要だが、コーチングというのであれば、話は別だ。

「しかし自覚がないんです。勉強も足りない。このまま本人の言うとおりにやっていても、いっこうにめざしている先にたどり着かないと思うんです」

「コーチングではなく、ティーチングに切り替えたらいかがですか」

「いやあ、会社の数字ならともかく、本人のキャリアのことなので、コーチングでやりたいです」

「なるほど……」

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントである。支援に入る企業のほとんどのマネジャーたちは、部下育成に日々悩んでいる。そのため、このように「コーチング」を勉強したいと考えるマネジャーはとても多い。

その要望に応えるため、NLP(神経言語プログラミング)を活用した「絶対達成コーチング」について解説していこう。

今回は【誘導編】である。

※参考記事

NLPを活用した絶対達成コーチング ―関係構築編―

NLPを活用した絶対達成コーチング ―質問編― 9つのポイントを解説する

以前の記事にも書いたが、私どもがコンサルティングする場合、目標はもちろんのこと、期限も「絶対」である。したがって、クライアント企業には、必ず期限から逆算して行動計画をつくり、PDCAサイクルをまわしてもらう。

しかしコーチングとなると、クライアント個人任せだ。目標は「絶対」であったとしても、期限についてはそうでもない

したがって「逆算思考」ではなく「順算思考」になりやすいと言っていい。つまり、今できることからやり、いずれ目標を達成させていくといった姿勢だ。

会社から与えられた目標はもちろん期限はあるが、本人のキャリアに関してであれば、順算思考でもよいのかもしれない。

しかし、ずっと本人任せにしておけば、この部長の言う通り、本人のためにならない。コーティングの最中に多少の「圧」をかけて、誘導するのも必要なのかもしれないと私は感じた(私はコンサルタントであるので、コンサルティングの最中では普通にクライアントに圧力をかける)。

そこで今回は「いい圧力 悪い圧力」というテーマで、「圧力」について取り上げる。そしてどう「圧」をかけることで、クライアントを「誘導」していくかを解説する。何が「いい圧力」なのか、そして「悪い圧力」なのか。2つの軸で、整理していこう。

この軸を常に頭に入れておけば、上司も部下も、ストレスを感じることなく目標に向かって力強く進めるに違いない。他者のみならず、自己変容にも繋がる。なので、経営者や管理者。部下を持つすべての人に、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

■NLPと圧力について

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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