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豊かな「迷える人生」の送り方 ――新常態(ニューノーマル)の幸福論

横山信弘経営コラムニスト
(写真:アフロ)

■「迷える人生」って何だ?

「迷える人生を送っています」

という部長に会った。

「これからどうやって生きていこうか、迷っています」

と言う。

従業員100人の印刷会社の営業部長だ。50歳で、私と同年代。将来の不安はあるだろうが、今のところ会社の業績は安定しており、部長職として職務をまっとうしている。

組織マネジメントの課題は多く、離職する若い社員に頭を抱えているものの、経営陣からも信頼されている。客観的に見ると、それほど大きな課題がないように見えた。

健康上の不安があるかというとそうでもなく、家庭内にも特段の問題はないと言う。

「ひとり息子が大学生となり、気が抜けています」

すぐさま対処しなければいけない大きな問題に直面しているわけではない。ただ、未来に対する漠然とした不安があるという。

「だから迷っているのです」

と。

「人生100年時代。自分自身のこと、親や家族のことも考えると、これからどんな道を歩めばいいのか。わからなくなるときがあります」

その部長からいろいろ話を聞いてみて、私は、私なりの「ものさし」でこのように返した。

「ある意味、贅沢な悩みですね」

と。

単に「贅沢な悩みだ」と言わず、「ある意味」とつけたのには理由がある。

「どういうことですか。贅沢な悩みとは?」

と部長が食って掛かってきたので、私は説明した。

どうすれば、この贅沢な悩みから解放されるのか。そして「迷える人生」がどれほどステキなものであるのか。それをステキだと思えるためには、どのような気持ちの持ちようが必要か。

私なりの考えを伝えた。最初は感情的であった部長の顔も、みるみる明るくなり、

「迷える人生って、そんなにステキなものだったんですね。豊かな人生には、不可欠なものだとわかりました。これまで観ていた世界が、一変しました」

と言ってくれた。

NLP(神経言語プログラミング)の用語では、これを「リフレーミング」と呼ぶ。ある事象を別の角度から見えるようになり、これまで持っていた思い込み・先入観が完全に消えてなくなる。

美しくリフレーミングできれば、まさに世界が一変することだろう。

今回は、「迷える人生」を送っているすべての中高年ビジネスパーソンに読んでもらいたい内容だ。

とくに50歳前後の方は、人生の中で最も「幸福レベル」が落ちる時期だとも言われる。だからこそ、ぜひ最後まで欲しい。そして、いつも目にしている景色が一変することを心から願っている。

■「迷える人生」で知っておきたい2つのポイント

高度情報化時代となり、私たちはいろいろな情報に触れられる時代となった。この情報の量と、人が迷うこととは、大きな関係がある。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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