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嘘をつく技術 ~嘘のような未来を叶えるために~

横山信弘経営コラムニスト
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

■「自分に嘘をつくことができない」という戯言

「自分は自分。自分に嘘をつくことができない」

という人がいる。

「自分に正直に生きたい」

という人がいる。

さらに言うと、

「他人に嘘をついてもいいが、自分に嘘をついてはいけない」

と放言する人がいる。

シチュエーションによっては、そういうこともあるだろうが、ビジネスにおいては、ほとんどのケースでは自分に嘘をついたほうがいい。

「自分に嘘をついてもいいし、他人に嘘をついてはいけない」

が正しい思考だ。

少なからずこの「本気で結果思考(本気で結果を出したい人のための絶対達成の思考と戦略)」の読者は、そうでなくてはならないと考える。

自動車を運転するには、アクセスとブレーキをうまく使いこなす必要があるように、ビジネスで結果を出すためには、嘘と実(まこと)を効果的に利用することが重要だ。

嘘は嘘でも、いろいろな種類の嘘がある。まず、そのことを知っておこう。その性質によっては自分を大きく成長させ、新たな能力を開発してくれる嘘もあるのだ。

とくに、今後は不確実性の高い時代となる。「自分は自分だから」「自分を裏切れない」というスタンスで仕事と向き合っていると、損をすることばかりだ。周りにも多大な迷惑をかける。

これを読んでいるあなたも、きっとそう考えているはずだ。心の中では。

そこで今回は、ズバリ「嘘をつく技術」を解説する。

本気で結果を出したい人のために、自分に対して嘘をつく。もちろん自分も他人も傷つけることのない、でも真実ではない嘘をうまく活用する技術だ。

こうすることで、ビジネスで驚くべき成果を手にすることだろう。そして刺激に満ちた仕事人生を送ることになる。そして、ここが大事。本当の意味で、自分に対しても、他人に対しても優しくなれる。

ぜひ、最後まで読んでいただきたい。

■「自分に嘘をつきたくない」と言える条件

嘘というのは、つまり「偽り」のことであり、真実でないことを指す。

したがって、

「自分に嘘はつきたくない」

というのは、自分は「偽りの姿」にはなりたくないと主張している、ということで間違いない。

たとえば、今が美しい姿をしているのにもかかわらず、化け物のような容姿に変わってしまうのであるなら誰もが嫌がるだろう。

また、今まで正直に営業活動をしてきた人が、上司から「お客様を騙して仕事をとってこい」と言われたら、とんでもないと思うだろう。

親や先輩社員に教えられ、守ってきた自分の中の誠実さが、音を立てて崩れてしまう。

だから、「自分に嘘をつきたくない」とか「自分に正直に生きたい」と言いたくなる。当然だ。

だが、それを言うには、今の自分がBESTであることが条件だ。私はそう思っている。

「嘘をつきたくない」

「正直に生きたい」

「素直でいたい」

というのは、もちろん理解できる。しかし、ここに「自分に」をつけると、まるで違った意味になる。実際に、つけてみよう。

「自分に嘘をつきたくない」

「自分に正直に生きたい」

「自分に素直でいたい」

どうだろう。何か違和感を覚えないだろうか。

「自分に」をつけたとたんに胡散臭く感じられるのだが、その理由は簡単だ。結局は「自分を変えたくない」と駄々をこねているように思えるからだ。

繰り返すが、今の自分がBESTなら問題ない。

しかしそうでもないなら、単に変化から逃げたいからこそ、こう言っているだけとしか受け取れないのである。

■嘘をつかない迷惑な人たち

結局のところ、これまでの自分が「真実」であり、過去の自分とは違う未来の姿は「偽り(=嘘)」であるから、

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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