日本はW杯でスペインに勝てるのか?ガビ、ペドリ、ブスケッツの中盤と「ラ・ロハ」の世代交代。
カタール・ワールドカップの抽選会が終わった後、天を仰いだ人は少なくないだろう。
スペイン、ドイツ、ニュージーランドとコスタリカの勝者。ここに日本を加えた4チームのうち、2チームがカタールW杯のベスト16に進出する。
大方の予想では、スペインとドイツがグループ突破すると見られている。2010年と2014年のW杯覇者は、虎視淡々と決勝トーナメント進出を狙っている。
■黄金時代を超えて
2010年の世界王者であるスペインは、昨年夏に行われたEURO2020で、4強入りを果たした。スペインとしては、久々に主要大会で結果を残した格好だった。
そのスペインは、「世代交代」を進めてきた。
シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、シャビ・アロンソ、ダビド・シルバ、セスク・ファブレガスといった選手が中盤を牛耳った時代は、過去のものになろうとしている。
ガビやペドリ・ゴンサレスをはじめ、新しい才能が出現した。直近の試合、UEFAネーションズリーグのポルトガル戦では、ガビがインパクトを残した。
ペドリが負傷欠場した試合で、中盤にはセルヒオ・ブスケッツ、カルロス・ソレール、ガビが据えられた。
「ガビはまだスペインのフットボール界で知られていない存在だ。彼の近くにいる人たちでさえ、本当の力を理解していない。走れるだけではなく、ボールを持った時に危険な選手で、ゴールも奪える。純粋無垢なインテリオールのプレーヤーだ。そう遠くないうちに、皆が理解するだろう。18歳にして、唯一無二の選手だ」
ルイス・エンリケ監督は、ガビを激賞した。ポルトガル戦で、ガビは先制点の起点になり、右と左のインテリオールで躍動した。ガビがマルコス・ジョレンテと交代でピッチを退いた後、スペインが同点に追い付かれたのは偶然ではないだろう。
■中盤の制圧とコンビネーション
ガビ、ソレール、ブスケッツは中盤を制圧していた。ガビのドリブル、ソレールのダイナミズム、、ブスケッツのポジショニングが光っていた。
(スペインのメンバー)
また、ルイス・エンリケ監督のスペインはサイドの使い方が巧みだ。
ジョルディ・アルバ、ガビ、パブロ・サラビアはコンビネーションを駆使して左サイドの攻略を試みた。
例えば、左SBのアルバがワイドに張れば、左WGのサラビアが内側のスペースにポジションを取る。
ガビが少し引いた位置で構え、バランスが良くなる。こういった動きとポジショニングが整理されていた。
(アルバ、サラビア、ガビの動きのパターン)
■「幅」と「深み」の基本
こうした整備ができているので、前線でもスペースができる。
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