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11月29日(イイニクの日)、あさイチ(NHK)の焼肉特集出演時に言えなかったこと(国会中継で短縮)

松浦達也編集者、ライター、フードアクティビスト

昨日は11月29日。「イイニクの日」だそうで朝ドラ終わりの「あさイチ」さんに解説役としてお呼ばれしてしてきました。短縮版となり、かなりあれこれ端折ることになってしまいました。リハではまあまあ調子良かったのですが、本番はつい尺のことを考えていらん自重をしてしまいました。役回りを考えても、もう少し暑苦しく前に出て、誰かにやんわり制されるくらいがベターだった気がします。自己採点は50点。

さてあさイチの焼肉特集でお伝えしきれなかったこと、そしてTwtterの声なども拾ってまとめていきたいと思います。

番組で紹介した流れにだいたい沿って紹介していきますが、その前に今回番組で一番伝えたかったことから紹介していきます。

焼肉は調理直前に必ずタレをもみこむべし(もみダレ)。僕個人としては、物事を断定的に言い切る人をあまり信用しないことにしているのですが、焼肉用の肉にタレをもみこむか、もみこまないかという2択に関してだけは絶対です。焼肉には必ず「下味を」、「焼く直前に」もみこんでください。今回、オンエアでこの仕組みについて熱を持って(焼肉だけに)伝えられなかったのが、最大の後悔ポイントと言ってもいいかもしれません。

Twitterでも「焼肉屋の嫁」なる方が生放送中にこんなツイートをUPしていました。

「テレビで言っちゃった」と言われていますが、現場関係者の方から太鼓判を押していただけると、ますますみなさんに知っていただきたくなります。ちなみに焼肉店さんはそれほど恐々とされる必要はないかと思います。そもそも焼肉店のロースターは、家庭とは火力が違います。さらにもみダレひとつとっても「店の味」に家庭の味がそうそう敵うものでもありません。

なぜもみダレは最強! なのか

それにしてもなぜ、下味を直前にもみ込む必要があるのか。①味つけしていない生の肉、②タレに漬け込んだ肉、③直前にタレをもみこんだ肉について、それぞれ焼く前と焼いた後に肉質がどう変化するかを説明してまいりましょう。

①味つけしていない生の肉の特性

通常の家庭での焼肉はこの状態の肉を焼くことが多いと思います。まず生の状態の肉は、肉表面から内部までただのひとかたまりだと捉えてください。一層構造です。「当たり前じゃないか」と言われるかもしれませんが、その状態ではただの食材でしかありません。

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編集者、ライター、フードアクティビスト

東京都武蔵野市生まれ。食専門誌から新聞、雑誌、Webなどで「調理の仕組みと科学」「大衆食文化」「食から見た地方論/メディア論」などをテーマに広く執筆・編集業務に携わる。テレビ、ラジオで食トレンドやニュースの解説なども。新刊は『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)。他『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(マガジンハウス)ほか。共著のレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)審査員、『マンガ大賞』の選考員もつとめる。経営者や政治家、アーティストなど多様な分野のコンテンツを手がけ、近年は「生産者と消費者の分断」、「高齢者の食事情」などにも関心を向ける。日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクター

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