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メタ認知、セルフモニタリングで、人生をハッピーに

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC
写真はイメージ:仕事も勉強も、できる人になろう(写真:アフロ)

■メタ認知とは

メタ認知とは、認知していることを認知すること、超認知です。

メタ認知能力が高いと、勉強も仕事も人間関係も上手くきます。メタ認知は、基礎心理学や教育心理学では以前からある言葉ですが、今ビジネスの分野でも注目されていますね。

メタ認知は、子供の学力アップにも必要なことであり、ビジネススキルとしても大切なものです。

たとえば、子供が100個の英単語を覚えているとします。まず最初の10個を覚え、次の10個に進みます。この時に必要なのは、記憶力とか、英語の学力だけでなく、メタ認知能力です。

自分が10個の英単語を記憶できたかどうかを判断する力が、求められるのです。きちんと覚えていないのに、覚えたつもりになって次に進んでしまうと、テストで良い点はとれません。

逆にもう覚えているのに、不安でなかなか次に進めなくても、やっぱり良い点は取れません。

自分が聞くできたかどうかを判断する力も、メタ認知能力の一つです。

仕事や様々な作業をするときには、それにどのくらいの時間が必要かを判断しなければなりません。仕事や作業の、自分にとっての難易度を判断するのも、メタ認知能力です。

メタ認知とは、今の自分の心や行動や能力への理解なのです。

簡単にできると思っていたことが、そうはいかずに長時間かかれば、締め切りに間に合わなかったり、遅刻したりするでしょう。人は不慣れな作業では、メタ認知がうまくいきません。しばしば自分を過剰評価するするのです。そうなると、時間が足らなくてあせることになるでしょう。

慣れている仕事では、時間の目安がたてやすくなります。この仕事は明日の午前中に終わらせるとか、この原稿は2時間あればできるだろうと予測し、その予測通りに進むわけです。

メタ認知能力は、段取り力にもつながりますね。

自分は今、緊張しているとか、イライラし始めているとか、落ち込んでる、ストレスがたまっているとか、それを自覚することは大切です。これもメタ認知です。人は自覚できれば、対処もできるのです。

■ストレス、緊張、不安の自覚

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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