与党過半数割れの心理学:衆議院選挙2024
■2024年衆議院選挙結果:自公過半数割れ
自民党は大敗、公明も議席を減らし、立民、国民、れいわは大幅増。
報道されているように、与党過半数割れだ。選挙終盤には予想されていたとはいえ、現実の数字になって表れると衝撃的とも言えるだろう。
こんなとき、私たちの心には何が起きるだろうか。
■与党過半数割れで生じる心理
一般に、次のようなことが考えられる。
そして、今回はどうなるのだろう。
1. 変化への期待
現政権に反対している人だけでなく、無党派層も、今までとは異なる何かが起きる期待感は生まれるだろう。
2. 政局不安と経済への影響を懸念
期待と共に不安も生まれる。与野党拮抗の中で、国会運営が不安定化するのではないか、そのことによって、私たちの生活に影響が出たり、株価に影響がでるのではないかと、心配にもなる。
(日経平均株価は上昇したので、市場は織り込み済みだったのだろう)
3. 新しいリーダーシップや政策への関心
あたらしい総理は、誰になるのか。リーダーが変わらないとしても、今までのような与党内だけでの決定はできなくなるのではないか、そこからどのような政策がでるのか。期待する人も不安がる人も関心がわくだろう。
4. 政治に対する不信感の再認識
与野党逆転が起きる場合には、野党が提言する政策が素晴らしかったというよりも、与党側の失敗や不祥事の場合も多い。それは、政治や政治家への不信感につながる場合もあるだろう。
今回の選挙は、政権交代の可能性が言われ、注目されていたはずだったが、投票率は53.85%で前回を下回り、戦後3番目の低さだった。
右も左も一部の人は大いに盛り上がっているが、一般国民はついてきたいないのだろうか。
野党側の主張も、与党自民党への攻撃はよくわかったが、独自の政策はよくわからないとの声も聞こえた。
5. 自分自身や社会への影響を考慮
政治には関心がなくても、自分の仕事はどうなるのか、自分が払っている金は安くなるのか、身近な問題を様々考えることはあるだろう。
6. 新たな対立や協力への期待と不安
自公も立憲民主も、自分達だけでは過半数に至らない。どのような連立や協力が生まれるのかは、注目だ。
■これからの政治と私達
政治も株価も、言うまでもなく、私達庶民の生活と無縁ではない。投票しなかった半分近くの人々は、どの政党が政権をとるにしても、あまり関心はないのかもしれない。それでも、もちろん平和で豊かな生活を望んでいるはずだ。
選挙は大騒ぎ、結果も大騒ぎ。しかし本当のスタートはこれからだろう。平和も豊かさも、当たり前のものではなく、大きな知恵と努力の末に得られるものだ。
政治に関心はないし、自分が投票してもしなくても何も変わらないと思っている人は少なくない。私たちは無力だろうか。そうだ、私たちは無力だと思っているうちは、無力だ。だが、誰かの当選も、誰かの落選も、私たちの行動の結果だ。自分の力を自覚したい。
世界中で分断が進んでいる。日本も例外ではない。今回の選挙結果は、私たちのどのような影響を与えるだろうか。接戦の選挙区もあった。変化は起きた。協力しなければ政治は前に進まない。
ある人々から見れば、素晴らしい政治家が落選した。ある人々から見れば、とんでもない人が当選した。そんな思いは前にもまして強くなっているだろう。
政治的対立は当然だ。激論も歓迎だ。だが、分断と罵(ののし)り合いは避けたい。政治への信頼と関心を取り戻したい。