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森保ジャパン。ターンオーバーの結果、使えない選手が増えた皮肉

杉山茂樹スポーツライター
(写真:REX/アフロ)

 絶対に負けられない戦いとなったスペインとの大一番を前に、使えそうもない選手が目立っている。遠藤航はコスタリカ戦で痛めた膝の具合が思わしくなく、欠場は濃厚だと言われる。コスタリカ戦を怪我で休んだ冨安健洋、酒井宏樹も同様だ。いずれもスタメンクラス。日本には痛い話だ。

 不慮の事故だとは思えない。酒井は昨年6月、マルセイユから浦和レッズへ移籍してからというもの、本調子にはほど遠いプレーを続けてきた。存在感は抜群だったが、周囲とプレーに絡む機会が少なかった。だましだましプレーしているような印象だった。

 冨安は筋肉系のトラブルを慢性的に抱えていた。楽観的になれる人はいなかったはずだ。故障なく大会を終えることを祈るばかりだった。

 上記の3人は故障になるが、プレーそのものの不出来が原因で出場の目処が立たない選手がいる。初戦のドイツ戦で4-2-3-1の左としてスタメンを張り、45分間プレーした久保建英だ。筆者の評価では、出場したアタッカー陣の中では最低の出来映えだった。次回、どこでどう使えばいいか、分からない状態にある。

 第2戦のコスタリカ戦で先発し、これまた前半45分、プレーしただけでベンチに下がった上田綺世にも同じことが言える。調子が悪かったと言うより、力不足を露呈させたという感じだ。あるレベルに達したプレーを見せることができなかった。

 久保が伸び悩んでいることは、そのプレーを定期的に眺めていれば分かることだ。アタッカーとして縦に引っ張る力を備えることができずにいる。三笘薫と比較すれば一目瞭然。怖さのない選手になっている。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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