会議が劇的に変わる!「会議資料」作成2つの基本 ~大量の資料と長時間の会議に若者はウンザリ~
「また会議か……」
「今日も会議が長くなりそうだ」
あなたはこんな思いを抱いたことはないだろうか? 2時間も3時間もかかる会議、論点がズレる議論、結論が出ないまま終わる会議……。タイパを重視する若者たちは、ウンザリすることだろう。
これらの問題の多くは、実は会議の「話し方」ではなく、会議資料の作り方に原因がある。必要な項目に絞り込むこと、そして意見ではなく事実を載せること。たった2つの基本を意識するだけで、会議の効率は大きく変わってくる。
今回は、誰でもすぐに実践できる「会議資料」作成2つの基本と、それによって得られる具体的な効果について解説していく。経営者、管理者の皆さんはぜひ最後まで読んでいただきたい。
■2つの効率アップ
仕事の効率をアップさせるには、2つの効率を上げなければならない。1つが「作業効率」であり、もう1つが「コミュニケーション効率」である。
たとえば会議が長いのはなぜか? 話が長いからである。それ以外に理由はない。誰も話さない会議など存在しないため、誰かの話が長く、話さなくてもいいことを誰かが話している。だから長くなるのである。
また、仕事の手戻りが多いのもコミュニケーション効率が低いせいだ。相手に誤解されるようなこと、勘違いされるような話し方をするために、やらなくてもいい仕事を増やしてしまう。
コミュニケーション効率をアップさせるには、当然「話し方」を変えることが重要である。長く話さない、論点のズレた話をしない……など、いろいろと心掛けるポイントがある。しかし、いちいちそのようなことを意識して話すのは現実的ではない。
もっと素早く、コミュニケーション効率をアップする方法がある。それが資料を使った効果的なコミュニケーション手法である。
■コミュニケーション効率をアップする資料
話が正しく伝達しているか、噛み合っているかを検証するうえでも「資料」を作成することは意味のあることだ。それでは、そういった資料を作成するにはどのようなポイントを押さえたらよいか。
ここでは、2つだけポイントを押さえる。
(1) 必要な項目だけを載せる
(2)「意見」ではなく「事実」を載せる
資料を作成するうえで、以上2つのポイントだけを意識する。したがって、資料はとてもシンプルになるはずである。
お互い「意見」だけで話をしていると、先入観を取り除いて話を前に進めることができない。結果的にコミュニケーション効率が非常に悪くなる。したがって、「意見」を補足する「事実」を列挙することが重要である。
つまり「言葉」だけではなく「数字」が並んだ資料でなければならないということだ。
たとえば、
「1年間でクレームを昨年の300件から150件へ半減させることを目標にするため、営業との発注プロセスを見直した。実際にプロセスを見直した後、月に1回、クレーム発生件数をモニタリングしているが、1月10件、2月13件、3月9件、4月11件……と、現時点では年間150件を下回るペースで推移している」
という「事実」を伝えられる資料を作成すればよいのである。これらの「数値的根拠」を口頭で伝えるのは意外と難しいため、資料でまとめておくことは大事だ。
無駄な項目や文章は削ぎ落としておくべきである。資料に不必要な項目を載せていると、「あさっての方向」へずれていく原因となるからだ。
資料作成のコツは「何を載せるか?」ではなく「何を載せないか」である。複雑な資料をつくる人は、資料作成が目的となっており、業務効率を上げることが目的となっていない。気を付けたい。
<参考記事>