満塁6打席で5打数5安打、17打点。本塁打と二塁打が各2本とサヨナラ打。満塁でも申告敬遠すべき!?
6月25日、ジャリクソン・プロファー(サンディエゴ・パドレス)は、1点リードの6回裏、1死満塁の場面でホームランを打った。
前日は、1点ビハインドの10回裏、2死満塁の場面から、ワンバウンドでフェンスを越える一打により、パドレスにサヨナラ勝ちをもたらした。記録は、二塁打ではなく、シングル・ヒット。歓喜に沸くチームメイトがフィールドに出てきて――最初にプロファーのところにたどり着いたのはタイラー・ウェイド――プロファーは二塁に到達しなかった。上の写真は、その後だ。
この2打席を含め、今シーズン、プロファーは、満塁の6打席で打率1.000(5打数5安打)と出塁率1.000を記録し、17打点を挙げている。
4月3日が四球で1打点、4月6日がグランドスラムで4打点、4月14日が二塁打で3打点、6月7日も二塁打で3打点。そして、6月24日と25日に、シングル・ヒットで2打点とグランドスラムで4打点だ。実質的には、5安打とも長打。6月24日のサヨナラ・ヒットは、2死二、三塁から、ルイス・アライズが敬遠四球で歩かされた直後だった。
また、昨シーズン最後の満塁の打席、9月30日の1回表にも、プロファーは、二塁打を打ち、3打点を挙げている。オプタ・スタッツによると、ここ50年において、満塁の6打数というスパンで計19打点以上は、アルバート・プーホルスとプロファーしかいないという。
プーホルスが2008年8月6日~2009年6月21日、プロファーは2023年9月30日~2024年6月25日に、6打数6安打、19打点だ。2人とも、このスパンに満塁で7打席。プーホルスは犠牲フライ、プロファーは四球の打席を含み、7打席で20打点も共通する。もっとも、プーホルスの場合、このスパンの前後も含めると、満塁の10打席で8打数8安打だ。10打席で26打点、8打数で24打点を挙げている。
プロファーは、メジャーリーグ11年目の31歳だ。2013年の開幕前には、ベースボール・アメリカ、ベースボール・プロスペクタス、MLBパイプライン(MLB.com)のいずれのプロスペクト・ランキングでも全体1位に挙げられながら、これまでは、出塁率.350以上のシーズンもOPS.800以上のシーズンも皆無。内外野を守りながら、レギュラーあるいは準レギュラーとしてプレーしてきた。
今シーズンは、満塁で打ちまくっているだけでなく、レフトを守り、83試合で打率.316と出塁率.408、OPS.892を記録している。
これまでも、満塁では強く、昨シーズンまでは、99打席で打率.310と出塁率.364だった。ちなみに、2012~23年の通算87本塁打中、グランドスラムは2本。今シーズンは、11本中2本だ。
なお、過去には、満塁の場面において、敬遠四球で歩かされた選手もいる。パワー・ヒッターではないプロファーがそうなる可能性は低そうだが、これまでの事例については、こちらで書いた。