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「満塁で敬遠四球」は史上初ではなく…。エンジェルスのマッドン監督は過去にも

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョー・マッドン監督 Oct 25, 2008(写真:ロイター/アフロ)

 4月15日、ジョー・マッドン監督(ロサンゼルス・エンジェルス)は、満塁の場面で敬遠四球を申告した。4回裏に2点を取られて逆転され、さらに、1死満塁となったところで、コリー・シーガー(テキサス・レンジャース)を歩かせた。

 満塁で申告永遠敬遠は、過去にはなかった。ただ、申告敬遠が始まったのは2017年だ。満塁での敬遠は、その前に何度か起きている。敬遠四球が公式記録となった1955年以降に限っても、今回が3度目だ。

 その1度目は、1998年5月28日。サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズが、2点ビハインドの9回裏、2死満塁の場面で歩かされた。2度目は、2008年8月17日。打者は、テキサス・レンジャーズのジョシュ・ハミルトンだった。こちらは4点差ながら、9回裏の2死満塁は共通する。ちなみに、ボンズが1シーズンに73本のホームランを打ったのは、この3年後のことだ。

 敬遠を指示したのは、それぞれ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのバック・ショーウォルター監督(現ニューヨーク・メッツ監督)と、タンパベイ・レイズのマッドン監督だ。マッドン監督にとっては、今回が2度目ということになる。

 1998年と2008年は、投手が次の打者を討ち取り、試合を終わらせた。一方、今回は、そううまくいかなかった。その後の犠牲フライとボークにより、結局、エンジェルスは、申告敬遠の直前に塁上にいた3人のいずれにも、ホームインされた。

 なお、これを書いている時点で、試合はまだ終わっていないが、その後、エンジェルスは逆転に成功している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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